2008-05

2・10(日)マンフレッド・ホーネック指揮読売日本交響楽団「復活」

   サントリーホール

 オーケストラの鳴りっぷりのよさという点では、昨日の新日本フィルをはるかに凌ぐこの読売日響。その馬力の凄さは国内オケ随一かもしれぬ。

 今日もホーネックの精力的な指揮のもと、7本のトランペット(1本はアシスタント?)を先頭に、耳を聾するばかりの大音響を炸裂させた。この「復活」は、その激烈さにおいてはベルリオーズの「幻想」以来の破天荒な交響曲ではないかと常々思っているのだが、今日の演奏などもそれを如実に証明するタイプのものだろう。
 ホーネックはしかし単に大音響だけで押しまくるのではなく、聞こえるか聞こえないかの最弱音をも多用し、激烈なデュナミークの対比を作り出していた。特に第5楽章ではそれが目立った。おそらく彼は、極端から極端へという、いわば表現主義の先駆としてのマーラーを描き出すことを、この演奏で意図していたのではなかろうか。
 ただこの曲では、そういった音響的な迫力を超えたところにもっと何か、身の毛のよだつような精神的危機のようなものがあるはずだと思うのだが、今日の演奏からは、それがどうも掴みきれないのである。
 合唱は国立音大、ソロはソプラノが薗田真木子、アルトがマルティナ・グマインダー。

 良いところは別として、あえて細かいところでの疑問を言わせてもらえば、第5楽章での舞台外からのホルンなど金管による信号の個所や、合唱が最弱音で歌い続ける「神秘的に」と指定された部分のテンポは、いずれもあまりに遅すぎて、楽曲全体のバランスをやや失わせたように思われる。「遅く」と「きわめて遅く」の違いが、あまり感じられないのである。そしてこの辺から管楽器群に疲れが出てきたのか、細心の注意が払われるはずのピアニッシモの個所に限って管に妙な音が続発したのは惜しかった。またフィルハーモニア版スコア(旧くてすみません)でいえば[22]の個所の重要なバンダが2階客席からはほとんど聞こえなかったのは、多分作戦ミスだろう。
 もう一つ、これは照明装置かテレビカメラか原因は不明だが、どこからか高い音域の金属性のノイズが終始聞こえていた。モルト・ピアニッシモが非常に多い演奏だったこともあって、このノイズには少なからず神経を苛立たせられた。サントリーホールにしては珍しいことである。

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