2019-05

2・9(土)マルク・アルブレヒト指揮 新日本フィル

  トリフォニーホール

 結構な人気のある指揮者、マルク・アルブレヒト。
 ところが私はどうも、この人の指揮を聴いて好いと思ったことがない。バイロイトで「さまよえるオランダ人」を聴いた時も、ドレスデンで「影のない女」を聴いた時も、日本でN響との「悲劇的」を聴いた時も、オーケストラはやたらガンガン鳴らすが味も素っ気もない音楽に終始していたという印象しかないのである。そういう人が、初めて新日本フィルに客演した。何か新しい発見があるかと思って聴きに行ったわけだが・・・・。

 とはいえ、こう鳴りっぷりのいい新日本フィルを聴くと、その音色の明るさのせいかもしれないが、妙にスポーツ的な快感を味わう結果になったことはたしかである。「さまよえるオランダ人」序曲や「英雄の生涯」でホルンが咆哮し(この辺がドイツ人指揮者らしい)、骨太で豪快な演奏が繰り広げられると、それはそれで悪くはないのかなとも思う。
 真ん中に演奏されたデュティユーのチェロ協奏曲「はるかなる遠い国へ」が、いかにもドイツ人指揮者が振るフランス音楽、という感じで、生真面目なこわもての表情になっていたのが面白かった。ソリストがベルリン・フィルの首席奏者ルートヴィヒ・クヴァントだったから、更にその印象が助長されたのかもしれない。交錯しあう音型や拡がりのある和声の響きなどには、フランスの音楽家による演奏と異なってカラフルなイメージは全然ない。しかしデュティユーの音楽が持つシリアスな面を浮き彫りにしてくれたという点では、これは大いなる収穫であった。この協奏曲、1960年代末の作品だが、いい曲だ。

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