2017-08

5・27(日)佐渡裕指揮日本フィルハーモニー交響楽団
マーラー:交響曲第6番「悲劇的」

     サントリーホール  2時30分

 サントリーホール前のアークヒルズ・カラヤン広場では、この数日間、太平洋フェスティバルのようなものが開催されていて、ハワイアンの歌や踊りが繰り広げられて大賑わい。一方、ホールの中では「悲劇的」が。

 しかし、佐渡人気のおかげか、チケットは完売、客席はほぼ満員だ。公益財団法人認定に向け懸命の努力を続ける日本フィルにとっては、助けになることだろう。超大編成の交響曲ゆえエキストラをも加えていたものの、最近のこのオーケストラの好調ぶりを反映して、極めて安定した演奏を聴くことができた。

 使用楽譜はもちろん国際マーラー協会版だが、第4楽章では佐渡の意向で、旧版にあった3回目のハンマー打撃が復活され、旧版の指定と同じ第783小節1拍目に一撃が加えられた(※追記)。
 この「ハンマー台」は、ステージ奥に階段をつけた形で設えられ――ある人が運動場の「朝礼台」みたいだと評したが、巧い表現だ――打楽器奏者が宗教儀式のようなものものしい身振りでハンマーを打ち下ろしていた。

 至近距離にあったP席のお客さんの中には、肝を冷やした人もいたことだろう。1人、最初のハンマー打撃の際にびっくりして飛び上がった人がいたのが遠くからも見え、思わず笑ってしまったが、――まあそんなことはどうでもよい。
 スケルツォ楽章は、スコアの指定に従い、第2楽章として置かれていた。

 佐渡裕が後期ロマン派の交響曲を指揮したのを聴いたのは実に久しぶりだが、意外にあっさりした音楽づくりになっていたのは予想外であった。昔だったらもっと力まかせにオーケストラを怒号咆哮させたろうが、今回は、彼としては意外に落ち着いた、均衡を重視した演奏をつくっていた。それはそれで結構であろう。
 しかし、それはあまりに「淡々と」してはいなかったか? ダイナミックな流動性はあっても、感情の最も深いところから湧き起こって来るものが、この演奏からは、残念ながら感じられなかったのである。

 【追記】3度目のハンマーが挿入された個所は、旧版スコア指定の第783小節でなく、第773小節だったとコメントをいただきました。私の記憶違いでした。ありがとうございました。

コメント

いつも拝読させていただいております。毎回とても参考になる面白い記事をありがとうございます。
ただ、この公演の3回目のハンマーは、773小節でした。旧版の指定とも違う箇所です。これは事前に噂もあって注視していたため間違いありません。ぜひご確認と記事の追加をしていただければ幸いです。

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://concertdiary.blog118.fc2.com/tb.php/1399-40c27a3f
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | HOME |  »

Since
September 13, 2007

これまでの来訪者数

最近の記事

カテゴリー

全記事表示

全ての記事を表示する

RSSフィード

ブログ内検索

プロフィール

リンク

News   

雑誌 モーストリー・クラシック に連載中
「東条碩夫の音楽巡礼記」