2019-11

2・8(金)ロジャー・ノリントン指揮シュトゥットガルト放送響

  ミューザ川崎シンフォニーホール

 最初のサリヴァンの「近衛騎兵隊」序曲は何だかつまらない曲だったが、小菅優がソリストをつとめたベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第4番」が、一気に目と耳を惹きつける。
 ピアノの反響版をはずし、小菅は客席(といってもこのホールはワインヤード型だから、メインのセンター席とでも言おうか)に背を向けて弾き振りのような位置で座り、ノリントンはピアノの横の奥の木管の前で指揮をする。以前の来日でも、これと同じ配置でピアノ協奏曲を演奏したように思う。
 ピリオド楽器的奏法で鋭いアクセントを全曲に与え、特にティンパニとトランペットがだぶる瞬間には著しく刺激的な響きを要求するノリントン。かくしてこの曲はギザギザした鋭角的な様相を呈することになる。小菅優も冒頭をアドリブ的なアルペッジョで開始するという大ワザを示し、ふだんは行う機会がない新機軸をこの際ノリントンに合わせてやってしまおうという感じで、尖って生き生きした演奏を聴かせてくれた。これが今夜のハイライト。

 後半はブラームスの第1交響曲。先日(30日)の「英雄交響曲」と同様、デュナミークの変化に重点を置いた演奏。重要なフレーズに来ると第1拍に強烈なパンチのアクセントを置き、以降急激に弱めていくという作りが目立つ。
 全体に軽く明るく、ブラームス特有の音楽の精密な網の目を強引に押し広げてしまったような演奏だ。帰りがけに会った池田卓夫さん(日経記者)が「(分厚い)ステーキを食べに来たら、しゃぶしゃぶを食わされたような感じ」と笑っていたが、言いえて妙。
 アンコールは30日の2曲と同じ。

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