2019-11

2・4(月)木村かをりのメシアン

   紀尾井ホール

 1960年代にパリのメシアン国際現代音楽コンクールで第2位に入賞、メシアンに師事して以来、この作曲家の作品と深い関わりを持ち続けて来た木村かをりが、メシアン・プロを披露した。

 1950年代の名曲「鳥たちの目覚め」、60年代の「七つの俳諧」「天の都の色彩」、80年代の「ステンドグラスと鳥たち」「天より来たる都」(演奏順ではない)と、これだけまとめて彼のピアノとオーケストラのための作品を聴く機会は滅多になく、われわれにとっても貴重な一夜であった。
 さすが、師への共感と愛情があふれるような彼女の演奏である。単に「メシアン生誕100年記念」のコンサートというより、それに即して木村かをりというピアニストのライフワークを集大成した演奏会の一つ、と言ってもいいだろう。欧州のピアニストが時に聴かせるような肉感性のメシアンではなく、どちらかといえば淡彩で清涼で明晰なメシアンに聞こえたけれど、このあたりが日本人音楽家ならではの特徴かもしれない。でも、よかった。

 協演は野平一郎指揮の新日本フィル。ホールの空間的キャパシティのせいもあったろうが、どの楽器の音も非常に強烈に聞こえた。前半は2階、後半は1階(後方サイド)で聴いたのだが、ほぼ同じ印象だった。正直言うと、メシアンの鳥はどれもなぜこんなにも鋭くけたたましく鳴くのか、そしてなぜあんなに彼はのべつまくなしに打楽器を強音で使い続けるのか、とまで恨めしく思ったほどである。もうすこし柔らかい、豊麗なメシアンもあるだろうに。その点、録音バランスのいいCDで聴くメシアンは、気が楽である。

 今年は、オリヴィエ・メシアンがたくさん聴けるだろう。思えば1962年、小澤征爾がN響を指揮して日本初演した「トゥランガリラ交響曲」に震撼させられて以来、随分いろいろな体験を味わってきた(当時のわれわれ悪童どもは、「織部飯庵の虎狩交響曲」と呼んだりして夢中になったものだ)。その「虎狩り」を、今年は準・メルクルが4月にN響を、7月にPMFオーケストラを指揮して聴かせてくれるという楽しみがある。
 

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