2017-10

3・17(土)アレクサンドル・ラザレフ指揮日本フィルハーモニー交響楽団
「ラザレフが刻むロシアの魂」

    サントリーホール  2時

 前半にエルガーの「チェロ協奏曲ホ短調」(ソロは横坂源)、後半にラフマニノフの「交響曲第2番ホ短調」。

 俺でもこういうレパートリーをこのように叙情的に、しっとりと振れるんだぜ、と言わんばかりの指揮を聴かせたラザレフ――横坂源の見事なソロとともに、美しいエルガーの協奏曲が前半を飾った。

 そのあとには、いよいよラザレフの本領が爆発する。先日のラフマニノフの「第1交響曲」で聴かせた豪演が、今日も再現されることになる。
 果たしてこの「第2交響曲」も、全曲、強烈なデュナーミクとエスプレッシオーネに満たされ、嵐のような凄まじい演奏になった。ff の音色はあまり綺麗ではないが、それにもかかわらず、音楽にはきらきらとひかるものが散りばめられている。とりわけ、アダージョ(第3楽章)は絶品であった。

 大詰め、最後の和音の一撃を振り終わると同時にラザレフは、例の如く腕を大きく上げたまま客席を向いてしまう。ラフマニノフが巧妙に仕組んだコーダの迫力と、ラザレフの豪快で派手な指揮姿とに煽られ、満席に近い聴衆はワッと沸く。
 アンコール曲は、同じラフマニノフの「ヴォカリーズ」だった。

 今シーズンから日本フィルは、楽員と聴衆との「ホワイエ交流会」を始めた。場所は終演後のホールのホワイエ(ロビー)で、30分間ほど。定期ごとに毎回開催するのではなく、シーズンの開幕と閉幕あたりに行なうらしい。今日は坪池泉美(オーボエ)の司会進行により、ラザレフも出席、満足げにスピーチも行なった。
 CDが当選する福引もあったが、その「抽選券」が番号札などでなく、楽員ひとりひとりの手書きメッセージが載っている紙片だというのが、いかにも日本フィルらしい。演奏旅行先から楽員たちが支持会員に「お便り」を出すのが常だった日本フィルの良き伝統は、受け継がれているようだ。こういう自主運営のオケの精神など、「親方日の丸」のオーケストラからは、想像もできないものだろう。
 今日は楽員と聴衆との交歓会とまでは行かなかったようだが、ホワイエに残った客はおよそ300人。いい雰囲気であった。

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