2017-10

3・13(火)スクロヴァチェフスキ指揮読売日本交響楽団のベートーヴェン

   サントリーホール  7時

 スタニスラフ・スクロヴァチェフスキと読響、今夜はベートーヴェン・プロである。「レオノーレ」序曲第3番、交響曲第4番と第5番「運命」が演奏された。

 88歳の「ミスターS」――本当に「老い」とか「枯れ」とかいったイメージからは遠い人だ。常に若々しい芸風を保っている。

 たとえば「5番」。この曲の演奏での、些かも弛緩なく前へ前へと進み続ける旺盛なエネルギー感など、そのほんの一例だろう。畳み込むように進軍する第1楽章もいいし、第4楽章の再現部からコーダにかけての押しに押す強靭な力感など、感嘆せずにはいられない。特に今夜は、最後のプレストの見事さ。

 随所にスクロヴァチェフスキらしい緻密な音の構築が施されていて、楽譜ではすべての楽器がフォルティシモになるべき個所でも金管群を抑制して弦楽器群のみをクローズアップさせたり、逆にホルンやトランペットに強いアクセントを部分的に施して音をケバ立たせてみたりと、音楽に刺激的な動きを与え続ける。
 この手法はミスターSの昔からの得意技だが、手の混んだその音づくりを、高齢の今でも、少しも手を緩めず続けているのが彼の豪さではなかろうか?

 読響の管楽器群は、時々この細かい技に追いつかないこともあったが、それでもミスターSが昔指揮していたザールブリュッケン放送響よりも、ずっと綺麗な音色とバランスとで、彼の要求に応えていた。16型(5番以外は14型)の弦も力まず、ガリガリ弾くこともなく、たっぷりと瑞々しい音で響いた。何か爽快な感覚に浸らせてくれる「5番」だった。

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