2017-10

2・25(土)オスモ・ヴァンスカ指揮読売日本交響楽団

   東京オペラシティコンサートホール  2時

 朝6時47分の新幹線で広島を発ち、東京に戻る。車中では1時間ほど睡眠を取ったものの、まだ少々眠い。が、良いコンサートが目を覚ましてくれるだろう。

 ヴァンスカと読響、先日(15日)、咳のため聴けなかったシベリウスの「第2交響曲」が「読響屈指の名演」だったという人が周囲に多く、口惜しい思いをした。
 そこで今日の「悲愴」は如何に・・・・と出かけて行ったわけだが、むしろ面白かったのはプログラム前半の2曲だった。

 まずシベリウスの「森の精」(作品15)。
 1895年に初演されて以来楽譜が散逸していた「幻の曲」を、100年ぶりにヴァンスカ指揮ラハティ響が初演したという曰くつきの曲で、ナマで聴くのは私も今日が初めてである。
 20分強の長さだが、前半はまさにシベリウスの語法そのもの、「クレルヴォ交響曲」や「レミンカイネン」などと共通する曲想が随所にあふれていて、シベリウス・オタクの私としては陶酔に引き込まれる。とはいえ、曲の後半になると、緊迫感がやや薄らいだ感があって、申し訳ないがちょっと長すぎるのではないか・・・・などと不埒なことも考えたりした。だがさすがヴァンスカ、よくこんな珍しい曲を紹介してくれたものだ。

 次に演奏されたフィンランドの現代作曲家カレヴィ・アホの「テューバ協奏曲」(日本初演)が、これまた面白い。
 第2楽章、フィンランドの自然を連想させる爽やかな楽想で始まった曲が、ソロ・テューバとホルン、トロンボーンとの応酬を繰り返しつつ猛烈な音塊の攻勢に転じて行くスリリングな迫力。第3楽章でもミステリアスな雰囲気から威圧的な曲想への転換といった起伏の変化が、劇的だ。
 終結近く、普段オーケストラの楽器の一員としてのテューバからは聞けないような奏法によるユニークな音色が次々に披露され、テューバがかくも多彩な楽器であることを聴き手に印象づける。読響の巨体のテューバ奏者・次田心平の妙技は天晴れとしか言いようがなく、約30分もの長丁場を息を呑ませる快演で埋め尽くした。これは聴きものだった。

 今回のヴァンスカ=読響の「アホ3部作」(2つめの「ミネア」日本初演は聴けなかったが)は大成功だったのではないかと思う。

 最後がチャイコフスキーの「悲愴交響曲」で、ヴァンスカの速めのテンポと読響の集中力で、火を吐くような起伏の熱演だったが、どういうわけか舞台上でも客席でも思いがけない雑音が多発、私の方は何となく落ち着かぬ雰囲気に終始してしまった。

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