2019-07

2・22(水)ジャナンドレア・ノセダ指揮NHK交響楽団

   サントリーホール  7時

 ミラノ生れのジャナンドレア・ノセダが、マリインスキー仕込みの感性で、ロシアものを鮮やかに指揮。今回のN響への客演での2種類のプログラム計4曲のうち、3曲がロシアの作品だった。
 今夜はBプロで、ショスタコーヴィチの「チェロ協奏曲第2番」と、ラフマニノフの「交響曲第3番イ短調」。

 このラフマニノフ! まあこれほどカンタービレの利いた、エスプレッシーヴォな「第3番」の演奏には、滅多に出会えないだろう。
 第1楽章で最初にチェロに出てヴァイオリンに引き継がれる、あの歌謡調の主題のふくらませ方の、何とロマンティックなこと! まるでオペラのアリアを聴くかのようである。
 第2楽章での、ハープの調べに乗って歌う木管やヴァイオリン・ソロの表情も美しく、甘美な神秘性をさえ漂わせる。

 全曲を通じ、音色も艶やかでまろやかで明るい。いわゆるロシア的な憂鬱さや哀愁や叙情性とはおよそかけ離れた演奏だが、しかしここまで立派に徹底されると、むしろラフマニノフの音楽に備わる別の側面が浮彫りにされたような、興味深さと面白さが感じられるだろう。
 ノセダの感性のしたたかさと、N響の巧さとが存分に発揮された、見事な演奏であった。愉しめた。

 前半に演奏された協奏曲のソリストは、これもイタリア生れ――トリノ出身のエンリコ・ディンド。素晴らしいチェリストである。磊落でありながら丁重な語り口をもった、スケールの大きな、人間味を感じさせる演奏だ。もともと内省的で思索的な曲想の作品が、温かいモノローグのような趣きで再現されている。

    音楽の友4月号 演奏会評

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