2020-04

1・17(火)上岡敏之指揮読売日本交響楽団のR・シュトラウス・プロ

   サントリーホール  7時

 「死と変容(浄化)」に始まり、「4つの最後の歌」に続き、後半は「ドン・ファン」「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」が演奏された。

 この中で私が最も期待していたのが、「4つの最後の歌」だ。
 上岡ならきっとやってくれるだろう、と思っていたのだが、まさに期待通りの素晴らしい音づくりである。空気の如く柔らかく浮遊するような感覚を備えたふくらみのある響きと、夢幻的で彼岸的な音楽の表情とが見事に再現されていた。
 日本や欧州のオーケストラによるナマ演奏でこの曲を聴いたのはこれまでにも何度かあるが、今回のような軽やかな拡がりのある音色が聴けたのは、初めてである。

 特に第4曲「夕映えの中に」が絶品。また第3曲「眠りにつく時」でのヴァイオリン・ソロでは、コンマスのデイヴィッド・ノーランが本領を発揮、甘美なカンタービレを聴かせてくれた。
 ただ、上岡と読響の演奏はこの通り夢幻的だったのだが、ソリストのアンナ=カタリーナ・ベーンケがえらくリアリスティックに歌うので、何ともアンバランスな感を抑えきれない。この曲でのソプラノは、何故みんなこうフォルテで歌いすぎるのだろう?

 その他の交響詩3曲の演奏は、一長一短というところか。
 「ドン・ファン」でのホルン群は素晴らしかったけれども、トランペットの音色がこの曲だけ何故か演歌的で(昔の園まりの「逢いたくて逢いたくて」のレコードでの華麗なトランペットの音色そっくり!)、そのパートだけが浮いてしまう。ホルンは「ティル」でも良かった。
 だがこの3曲に関する限り、上岡&読響の演奏にしては、総じていつもとは違って、何となくガサガサしていた感もないではない。練習が足りなかったか? 3日間だけの練習にしてはよくここまでまとまったとも言えるが、まとまらなかった部分もやはりあるようで。

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