2017-10

1・15(日)東京オペラ・プロデュース プロコフィエフ「修道院での結婚」日本初演

     新国立劇場中劇場  3時

 親の薦める男とは違う相手と結婚したいばかりに家出し、替え玉作戦を採る娘たちと、それが巻き起こすさまざまな騒動を描くコミカルなオペラ。ユーモアとペーソスにも事欠かない。

 欧州では少しずつ上演の機会が増えているとかいう話だが、まだまだ一生に一度観られるかどうかのマイナー(?)なオペラであることには変わりなく、その意味でもよくぞ日本初演してくれたと言いたいほどである。
 しかも、思いがけず面白い舞台と、手堅い演奏とが実現されていたのが嬉しい。

 舞台装置こそ質素なものだが、回転舞台を使った八木清市の演出が要を得ていて、登場人物たちのコミカルな演技が極めて自然な形で展開されていた。

 歌手陣はダブルキャスト。前日の方に有名な歌手たちの名前が見られたものの、今日の組にもなかなかの役者が揃っていて、愉しい舞台を見せてくれた――岩崎由美恵(ルイーザ)・勝倉小百合(ドゥエンナ)・橋爪ゆか(クララ)の3人の女声たちに、村田孝高(メンドーザ)、笠井仁(ドン・カルロス)、和田ひでき(フェルディナンド)、高野二郎(アントニオ)、塚田裕之(ドン・ジェローム)、工藤博(アウグスティン神父)といった男声たちが活躍。特にメンドーザ役の村田孝高の芝居巧者ぶりが目立ち、四股を踏んだり大見得を切ったりする余興の演技も自然で、観客を楽しませた。
 慣れぬロシア語での歌唱は大変だっただろう。発音については私には云々できないけれども、みんなしっかりした歌いぶりだったと思う。

 東京オペラ・プロデュース合唱団、バレエ団芸術座も愛らしくまとまっており、舞台上の出来栄えは手応充分。 東京オペラ・フィルハーモニック管弦楽団は些か荒いところがあり、トランペットなども少々粗雑ではあったが、全体としてはこれも手堅い出来と言ってよかろう。
 指揮は飯坂純。クライマックスや終結への持って行き方にもう少し芝居気というか演出というか、工夫が欲しいところだ。すべて最後があっけなく終るといった演奏では、盛り上がりに不足する。

 それにしても、バレエまで盛り込まれたこの大掛かりなオペラを、よくぞここまで仕上げたものである。特殊なレパートリーゆえに成功を収めたということもあろうが、いずれにせよ東京オペラ・プロデュース、渾身のプロダクションと言えよう。ほぼ満員近いお客が入っていて、良かった。

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