2019-05

1・13(金)ラドミル・エリシュカ指揮NHK交響楽団のチェコ・プログラム

    NHKホール  7時

 1931年生れの名匠ラドミル・エリシュカ。いっそうパワーアップしたかのような、元気なステージ。
 今回は、スメタナの交響詩「ワレンシュタインの陣営」、ヤナーチェクの「シンフォニエッタ」、ドヴォルジャークの「交響曲第6番」を指揮した。

 N響の揺るぎない良さと、それを堅固な構築性を以って制御するエリシュカの年齢を感じさせない気魄は、見事としか言いようがない。実際、各作品ともに、これだけ明晰で「見通しの良い」形式感を抱かせた演奏は、そうたびたびは聴かれないだろう。

 ドヴォルジャークの「6番」など、下手をすれば地味な主題ばかりがダラダラと流れるような危険性をはらんだ曲になりかねないところだが、今日のエリシュカの指揮を聴くと、まるで作品の構築図がはっきりと目の前に拡げられたような印象を受ける。
 「シンフォニエッタ」のフィナーレにしても、大ファンファーレが参加する最後の頂点に向かって音楽の色合いを次第に変化させながら緊迫度を加えて行くヤナーチェクの巧みな設計を、エリシュカはこの上なく鮮やかに再現していたのであった。

 N響が繰り広げた響きの均衡感も素晴らしい。
 「シンフォニエッタ」の終了直前、金管のファンファーレを支える弦楽器群の和声的な拡がりにもう少し豊麗さがあれば、最後は更に壮大な響きになったのではないかと思うが、そういえば今夜はこちらの席(1階18列ほぼ中央)のせいか、特に1曲目のように金管が硬質で耳を劈くように聞こえた個所が多かったのは事実だ。
 しかし、特に交響曲での響きのバランスの良さは絶品で、今夜ほどこのホールのアコースティックを気にしなかったことは、かつてなかった。もちろんそれは、単に響きの問題だけでなく、演奏にあふれていたヒューマンな音楽性に由るところなのだろう。
 

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