2020-04

1・11(水)フライブルク・バロック・オーケストラのバッハ「管弦楽組曲」

    東京オペラシティコンサートホール  7時

 意外や意外、このフライブルク・バロック・オーケストラ(1987年創立)は、これが初めての来日になるそうな。音楽監督ゴットフリート・フォン・デア・ゴルツをリーダー(コンサートマスター)に総勢23人、今夜はバッハの管弦楽組曲全4曲をプログラムに組んでの演奏会となった。

 演奏順は第3番、第2番、休憩を挟んで第1番、第4番。
 有名な2曲を早々と前半でやってしまうとは・・・・とは言っても、実はこの配列はなかなか機微に富んだものであることが解る。

 最初のニ長調(第3番)から3度下がってロ短調(第2番)、それから1度ずつ上って、ハ長調(第1番)、最後に再びニ長調(第4番)に戻るという形になる。
 しかも、わずか6人による演奏の「第2番ロ短調」と、18人編成による「第1番ハ長調」を中央に置き、両翼の「ニ長調」の曲がいずれも3本のトランペットと1対のティンパニを含む大編成――という、均斉のとれた並べ方になっている。巧いプログラム編成だ。
 なお「第4番」で採られていた最大編成(23人編成)は次の通りであった――オーボエ3、ファゴット1、トランペット3、ティンパニ、チェンバロ、弦5部(チェロ2、コントラバス1を含む)。

 各作品の第1曲(序曲)では、彼らのCDにおける演奏とは違って、リピートは行なわれなかった。このため演奏時間は予想より短くなり、休憩15分を挟んで全4曲が終ったのは、8時45分だった。そのあとにアンコールとして、「第4番」と同じ編成で「復活祭オラトリオ」からの「シンフォニア」が演奏され、終演は何とか9時に近くなった。

 演奏は、一言で言えば、実に気持がいい。最初の「第3番」冒頭だけは、客が入ったホールのアコースティックに慣れなかったのか、オーケストラのバランスに明快さがちょっと足りず、響きが混濁するような気もしたけれど、間もなく軽やかで艶やかな音を取り戻し、そのあとは天馬空を行く感の演奏になって行った。
 その音の細部にはおそらく精密な考証に基づく構築がなされているのだろうが、それは私の知識の及ぶところではないから措くとして、とにかくこの演奏は、一種の至福のひとときといったようなものを体験させてくれたのである。

 後半の2曲における木管と弦との対比の鮮やかさなど、これはもうナマでしか味わえない響きの面白さであろう。その一方、フルートと弦5人で演奏された「第2番」の清澄な音色は、出だしからしてハッとさせられるような美しさであり、何か心身もろとも快い深みに引きこまれるような感覚に浸らせてくれたのであった。聴いた席は2階正面。 

コメント

東条先生、こんばんは。
フライブルク・バロック・オーケストラ、とってもお洒落でスマートな演奏でしたね。わたしも、何かすごく清らかなものに触れたような感覚になりました。昨年の、ラ・プティット・バンドの田舎っぽい響き(それはそれで良かった)とは違った、都会的な響きでした。
私が聴いた2階サイド・バルコニー席では、このホールのアコースティクのせいで中音域の解像度が悪く、第2番のトラヴェルソと弦楽器が混濁してしまうところがありましたが、それでも、とても楽しめる演奏でした。
このオーケストラがピットに入るヘンデルかモーツァルトのオペラを見て(聴いてかな?)みたいと、とても強く思いました。日本のオペラファンには向かないから、日本では無理ですか?

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