2019-08

12・28(水)宮本文昭指揮東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の「第9」

     東京文化会館大ホール  7時半

 声楽ソロには澤畑恵美(S)坂本朱(A)大槻孝志(T)河野克典(B)、合唱には東京シティ・フィル・コーアが協演。(私の席からは明確には見えなかったが)弦14型、オリジナル2管編成、といったところだろう。

 宮本文昭の「第9」を聴くのは、私はこれが初めてだ。
 衒いなく丁寧に、まとまりのいい音楽をつくる。第1楽章展開部冒頭のppでの管楽器群のバランスの良さ、あるいは第3楽章の最初の方でアダージョから初めてアンダンテのニ長調に変わる直前の個所で、コントラバスがそっとニ音で滑り込んで来るあたりの細やかな響きなど、その例と言えよう。
 その一方、感情を思い切り爆発させる個所もあるのはもちろんだが、しかし想像するところ、彼が自分の頭の中で鳴り響いている音楽と同じように現実のオーケストラを鳴らすというところまでは、行かなかったのではないか? 

 第2楽章などはかなり立派な音楽になっていたと思うけれど、第3楽章中盤以降になると、音楽の表情の変化や色合いが薄れて来て、何か単調に感じられて来てしまうのだ。とりわけフィナーレは大熱演で、力がこもっていたことは事実だが、残念ながら形のみにとどまり、しかも乾いた演奏に聞こえたという印象を拭いきれない。
 それは、「第9」という難物中の難物、音楽史上の巨大な城砦に対する彼の指揮者としての経験から来る問題なのか、あるいはシティ・フィルの現在の実力水準から生じる問題なのか? いずれにせよ、将来解決されることを信じたいところである。

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