2020-05

12・24(土)バッハ・コレギウム・ジャパンの「メサイア」

   サントリーホール  3時

 ヘンデルの「メサイア」のナマを聴きに行ったのは、本当に久しぶり。十数年ぶりかもしれない。世界に名の轟く鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパンの演奏だから、耳の垢を落すにはこれ以上のものはないだろう。ホールは満席である。

 「ハレルヤ・コーラス」で起立するなどという習慣は、もうとっくに廃れたのかと思っていたが、やはり20人ほどのお客さんが立ち上がっていた。まあ、起立したければ、するがいいだろう。
 60年代あたりまでは、まだ起立するのがマナーだ、などと言われていたと記憶する。私は生意気だった学生時代から、この曲で立ち上がるのが嫌でたまらなかった。初演の時に英国王ジョージ2世が感動して立ち上がったとかいう伝説があるからといって、英国人ならともかく、何も日本人が真似しなくてもいいだろうに、と思っていた。しかし、そうすると周囲には必ず「この曲にまつわる有名な話を知らんとは無知な奴だ、起立すべきルールを知らんとは」という顔でジロリと見る人がいるのである。
 それが嫌だから、「メサイア」なんか聞きに行くものか、などと突っ張っていたこともあるくらいなのだ。――今はいい時代になったものである(?)。みんなで座ってれば怖くない。

 余談はともかく、今日の演奏は、ソリストがミリアム・アラン(S)、クリント・ファン・デア・リンデ(CT)、中嶋克彦(T)、ステファン・マクラウド(B)。コンサート・ミストレスは若松夏美。それに鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン。

 正味2時間半の長丁場を緩みなく押して行く演奏は、見事である。強いて言えば、もう少し全体の演奏構築に起伏があってもいいのではないかという気もするし、山場を越した後の第3部では、エピローグ的なイメージが出て来てしまった感もある。だが、その山場を作る第2部締め括りの「ハレルヤ・コーラス」での昂揚感はやはり立派なものだった。

 何より、オーケストラの安定感――トランペットのみはやはり「ちょっと」ではあったけれども、これは触れないことにしよう――と、それにコーラスの素晴らしさ、特に女声の透明な美しさが、この曲の良さを浮彫りにしていた。
 小編成ながら、この大ホールを満たす力感も充分だったが、それは単なる音量的な問題でなく、演奏そのものの密度と量感によるものなのである。爽やかな「メサイア」であった。

 第1部あとの20分の休憩1回を挟み、5時55分終演。

コメント

やっとメサイアが聴ける!

私も「みんなで起立するなんて」と思っていたので、何十年も、ついぞメサイアのコンサートに行ったことがありません。この習慣がとっくに廃れていたとは知りませんでした。それだったら、ぜひ来年はメサイアを聴きにいきたいと思いました。

マエストロ鈴木、ご健在で何よりであります。

起立の問題のハレルヤコーラスは、今から15年とか20年くらい前の、毎年やっている伝統の東京文化会館での芸大メサイア(朝日新聞社共催)では、お客さんが音を立てて多数立っていたような記憶あり。今はどうなのか・・・(我ながらNHK7時のニュースの語り口みたいだ・・・ねこもついに人間にまみれてきたか・・・笑・・・)
最近ついぞ聞きにいっていないのでわからニャい。

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数年前、BCJの「メサイア」をサントリーでないホールへ聴きに行った時、マエストロ鈴木が開演前のトークで、別に立つ必要などありませんよ、というようなことをやんわりと仰っておられました。やはりトランペットはここ数年すっかりおなじみになった、あの方でしょうか...私などもうすっかり耳が慣れてしまいました。

私も昔若いころ、まわりの人がみんな立ってしまったのでやむを得ず立ち上がりひどく落ち着かない気分で聴いて以来、メサイアを聴きに行くたびにまわりの人が立ちはしないかというトラウマを抱えています。前の人が立ちあがったら我を忘れて一発お見舞いしてしまいそうで…。でも先日聴きに行った芸大メサイアでは少なくとも私の席からは立ち上がった人はいないようではありました(二階席の2列目だったので見えない席も随分ありましたが)。

キリスト教徒として、イエス・キリスト=メサイア(メシア)を聴きに行き、色々な思いから立ち上がる人もいることを、宗教曲を聴きに行く人たちは知ってほしいです。
これらのコメントは少なからず傷つきます

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