2019-08

12・14(水)シャルル・デュトワ指揮NHK交響楽団

   サントリーホール  7時

 ヒンデミットの「ウェーバーの主題による交響的変容」に始まり、プロコフィエフの「ピアノ協奏曲第3番」(ソロはニコライ・ルガンスキー)と続き、バルトークの「管弦楽のための協奏曲」で閉じられるプログラム。

 1階18列あたりの席で聴くことはほとんどないので、今日のデュトワとN響が創り出した柔らかくスリムな、内声部が透けて見えるような響きの演奏が、もともとそういう特徴を持っていたものか、音がやや拡散して聞こえる位置ゆえにそう感じられたのかは、即断はし難い。だが、前者であることは、多分間違いないだろう。

 バルトークの第3楽章や第4楽章で奏でられた弦楽器群の音色など、N響がここまでやるかと思わせるほど、清澄で透明で、しかも輝きがあって美しい。
 いや、この個所だけではない。この曲全体にそういう音色があふれていた。それは所謂民族色には乏しく、むしろフランスの印象派的なイメージを感じさせてしまうものの、この曲の多彩な音色の変化の醍醐味を充分に愉しませてくれる演奏だったのである。

 これはプロコフィエフでも同様だったが、ただ最初のヒンデミットは、さまざまに入り乱れる声部があまり際立たず、単に豊麗な響きの中に混然と包み込まれてしまう印象もなくはなかった・・・・。
 だがこれこそ、聴く位置によって大きく印象が変わるかもしれない。

 前半の2曲では、エネルギー性というか、勢いのよさが驚異的だ。ヒンデミットでは、最初から最後までテンポよく快速に、一気に驀進した。またプロコフィエフでは、ルガンスキーの生き生きと躍動するピアノを包み込み、煽りたて、特に第3楽章では猛進に次ぐ猛進を重ね、熱狂の裡に鮮やかな終結を作る。
 デュトワの鮮やかな指揮もさることながら、何しろN響の巧いこと。最後の決めに持って行く追い込みでのオケの呼吸、テクニック、アンサンブルのバランスなどの見事さたるや、さすがのものと言うべきであろう。

    音楽の友2月号 演奏会評

コメント

本当に行きたいと思うときにしか行かなくなったN響定期。
お目当ては、プログラミング。
「ウェーバーの主題による交響的変容」は、吹奏楽コンクールの自由曲でも人気のある作品だから。難しいのに。
バルトークのオケコン、第5楽章の冒頭の弦楽器の無窮動的な弾けた部分が好き。
本命は、ルガンスキーのプロコフィエフの3番。テクニックそのものよりも、夢想的な叙情面の音の創りが最大の成果。2番はテクニック先行する曲だけど。3番は聴かせる魅力がないとダメ。初めて生演奏に接するにしても。3番は、叙情面も大切にけど、テクニックの両面をどう両立させるのか。とても新鮮な考え方で演奏しているようにも思え、とってもよかった。
アンコールがまた、絶品だった。どこかお師匠さんのフランス物聴くような(ニコライエワが20年以上昔、バッハとショスタコ持ってきて。文化会館の小ホールでのバッハのプログラムの日。5曲もアンコールやったあのときのフランス物と同じような)。

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