2020-05

11・30(水)シルヴァン・カンブルラン指揮読売日本交響楽団

    サントリーホール  7時

 25日の演奏でもそうだったが、カンブルランの指揮で演奏する読売日響の音色は、本当に綺麗になった。

 今夜の1曲目、ベルリオーズの序曲「リア王」の最初の部分の弦など、まるでフランスのオーケストラのような、見事な艶と輝きがあった。日本の交響楽団の音色を聴いて――嫌味な言い方と取られたら申し訳ないが――これぞオーケストラの醍醐味だなどと心から感じられるのは、実に嬉しいことではないか? 
 2曲目はチャイコフスキーの「ロメオとジュリエット」、そして最後が同「悲愴交響曲」。

 この「悲愴」を聴くと、カンブルランはやはりフランスの指揮者だな、とつくづく思う。均整のとれたバランス感覚、洗練された音、節度をわきまえた昂揚――もしくは、あっさり味の「悲愴」というか、美しい「悲愴」というか。

 半世紀以上も昔、私が初めてレコードで「悲愴交響曲」を聴いたのは、親戚の音楽教師から借りた古いフィリップ・ゴーベール指揮パリ音楽院管弦楽団のSPレコードによってだった。
 このレコードは、あらえびす氏の名著「名曲決定盤」では「美しくはあるが盛り上がりが足らぬ。所謂チャイコフスキーの泥臭さが無くて、ただの綺麗なシンフォニーに過ぎない」とクソミソに貶されているが、子供の私は、このレコードをすり切れるほどに繰り返し聴いて、夢中になっていた。「悲愴交響曲」とはこういう音楽なのだ、と長いこと信じ切っていた。そのため、フルトヴェングラーやメンゲルベルクの暗鬱で濃厚な表情の「悲愴」を聴いても全然ピンと来なかった時期さえあったくらいなのである。

 今夜、カンブルランのこの指揮を聴いて、昔のことを何となく思い出していた。
 もちろん、ゴーベールとカンブルランが同じではないことは、改めて言うまでもない。

コメント

はじめまして。
ゴーベール指揮の「悲愴」は私の愛聴盤です。フルートのマルセル・モイーズが主席をつとめているのが聞き取れる最後期の録音でもあります。この年代でパリ音楽院のオーケストラのアンサンブルは世界的に見ても比類のない素晴らしいものだったと思います。

http://www.youtube.com/watch?v=S7xZMh8p5eA

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