2020-04

11・21(月)METライブビューイング
モーツァルト:「ドン・ジョヴァンニ」

    東劇(銀座) 7時

 先日、ニューヨークで観たばかりだが、近接撮影の映像なら演技の詳細が分るだろうという楽しみもあり、しかも私が観た日と違って指揮がファビオ・ルイージなので、これはやはり観ておかねば、と。

 METの広大な客席からはほとんど分らなかった登場人物の細かい表情の演技は、さすがに満喫できる。これが、映像で観るオペラの強みというものだ。
 普段はおっとり型のヴァルガス(ドン・オッターヴィオ)が、意外に凄みを利かせる表情を見せていたのに感心。フリットリも可愛い。
 その一方、ナマで聴いて声が綺麗だったエルトマン(ツェルリーナ)が、マイク収録では声が遠く聞こえ、顔の表情の演技もさほど巧くなかったのは予想外だった。

 マリーナ・レベカ(Rebeka、kが一つなのでとりあえずこう書く)のドンナ・アンナが不思議に冷たい女に見えるのはナマで観た時も同様だったが、今日の幕間のインタビューで彼女が「アンナは本心ではジョヴァンニを愛しているが、自らはそれを認めたくないと思う理知的な女なのです」と語っているのを聞いて、なるほどあの演技はその解釈に裏づけられているのか、と思い当たり、これにも感心した。

 ルイージの指揮は――録音で聴く範囲でだが――「ジークフリート」の時とは比較にならぬほど引き締まり、音色も明快で、テンポの起伏も大きく、すこぶる劇的である。彼がつくる音色のオーケストラに、フリットリもヴァルガスもレベカもピタリと嵌まっていて、ラングレーの指揮の時に聞かれたような違和感は皆無であった。
 その代わり、ラングレーのピリオド楽器的な音づくりで特徴的だった管楽器群の透明で清澄な音色は、ここには聞かれない。それぞれの良さがある、というところであろう。

 終映は10時半過ぎ。

コメント

映画館で、気ままに演奏会を楽しめるとは驚きました。
もっと多くの人たちにも来てもらいたいものです。

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