2020-04

11・20(日)ピエール=ロラン・エマールの「コラージュ――モンタージュ」

     トッパンホール  3時

 人気ピアニスト、ピエール=ロラン・エマールの注目のプロジェクト、「コラージュ――モンタージュ2011」というユニークなリサイタル。

 「ありきたりのプログラムに対して反旗を翻すための今回のプログラム」と、彼自身が語る。
 一つのソナタや組曲を全曲弾くのではなく、さまざまな作品から断片的に曲想を選択し、純粋に音楽的に有機的な接続を行ない、一つの統一された曲に創り上げるという、途方もなく面白い試みだ。

 もちろん、昔のオペラの序曲にあるような「接続曲」とは違う。ましてや、30年前に流行った「フックト・オン・クラシック」のような、リズムボックスに乗せていろいろな名曲からの有名なフシを繋いで行く手法などとは桁が違う。

 引用する部分においては、オリジナルの形を全く変えないという鉄則があるらしい。
 それゆえ、素材としてはベートーヴェン、シューマン、シューベルト、スクリャービン、ヤナーチェクなどの作品からも選ばれているが、やはりシュトックハウゼンやリゲティ、クルターク、シェーンベルク、ジョン・ケージをはじめとする現代音楽からの方が繋ぎやすい、ということになり、そのレパートリーの方が多くなっているようである。

 エマール自身が解説しながら――「この繋がり方は実に巧く行っていると思うのでぜひ気をつけて聴いていただきたい」などと予め説明しながら、5つにまとめた「作品」を弾いて行くのだが、やや自己満足的なものが感じられることや、5つの「作品」(計1時間強)がどれも同じような曲想にまとまってしまっていることが若干気にはなる。
 だがそれにしても、これだけ多くの作品から、よくこれだけ巧く組み合わせたものだと感嘆させられる。大詰めの個所で登場したラヴェルの「夜のガスパール」(絞首台)からムソルグスキーの「展覧会の絵」(キエフの大門)への移行の仕方などは、思わず唸らされるほどの見事なアイディアを感じさせた。

 全体としては、試みとしては奇想天外で興味津々たるものがあるが、実際の手法にもう一工夫、多彩な変化があったらな、というのが率直な印象。4時半終演。

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