2020-05

10・17(月)クリストフ・エッシェンバッハ指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

  サントリーホール  7時

 モーツァルトの「交響曲第34番」と、ブルックナーの「交響曲第4番」を組み合わせたプログラム。

 いわゆる「来日メンバーの構成」については、あれこれ巷の噂は聞くけれども、詳細は一切知らないし、敢えて首を突っ込みたくもない。とにかくこんなご時世、よくおいで下さいましたとだけ申し上げて、あとは演奏を聴いた印象のみを記すことにする。

 いずれにせよ今回は、おなじみライナー・キュッヒルがリーダーを務めていたにせよ、何かいつものウィーン・フィルらしからぬ音色に感じられたことは事実だ。
 モーツァルトは少々無造作で粗いし、ブルックナーでも、いつになく硬質で高音域の勝った音が響く。
 ただ、そのブルックナーの第4楽章もそろそろ大詰めに近づこうかという頃、にわかに弦楽器群が厚みのある緻密な響きを取り戻し、最後の雄大な頂点個所では全管弦楽が極めて見事な均衡に達したことも確かであった。終わり良ければすべて好し、ということになるか? 満員の客席は拍手で沸騰した。

 エッシェンバッハの指揮については、私はどうやら昔から相性が悪いらしい。PMFでも何度も聴いているが、マーラーにせよブルックナーにせよ、彼の指揮する演奏は、これまで一度も心の琴線に触れたことがないのだ。
 今回も聴く前までは、彼がウィーン・フィルを強引に引きずり回すのではなく、このオケの長所を引き立てるような形で――たとえばハイティンクのように――伸び伸びと演奏させるスタイルを採るのかと思っていたのだが、実際は逆で、むしろ非常に几帳面に、ごつごつした型をつくって、音楽の流れを無理矢理それに当て嵌めてしまっていたように感じられる。
 そのため、演奏は切り立つように鋭い力感を備えてはいたものの(ブルックナーの第3楽章など、それはそれで痛快ではあったが)、一方では音楽にしなやかな流動性を欠き、それが楽曲全体の見通しを些か不明瞭にしてしまう傾向もあった。

 アンコールは無し。

    モーストリークラシック新年号 公演レビュー

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東条先生、こんばんは。

この公演は聴いていません。
ザルツブルクでの素晴らしい演奏よりも、数段劣るのは明白だったので。ティーレマンとエッシェンバッハでは、大人と子供くらいの差があります。

…東条先生の仰るとおり、来てくれただけOK、というのが感想です。
日本公演はルーティン化しているとはいえ、やはり定期的な友好関係は大切です。みなさん気になったメンバーですが、そんなにヒドかったんですか?現地でも欧州公演でも、ある程度トラは入ります。(国立歌劇場団員や国立音楽大学学生。)今回はヒンクさんやシュミードルさんはじめ、退役団員が多かったそうですね。

でも、あのサントリーでガサツな音を出すってことは、相当トラがいたんでしょうね。固定のメンバーでないと、いわゆる「室内楽」的な「対話」が成立しませんから。

次のティーレマンとの来日に期待します。(キャンセルしないでね!)

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