2020-05

10・4(火)下野竜也指揮読売日本交響楽団のドヴォルジャーク

   サントリーホール大ホール  7時

 これは「名曲シリーズ」だが、ドヴォルジャークの「夜想曲Op.40」や「第5交響曲」などという珍しい曲が取り上げられているので聴きに行く。

 この2曲の間には「チェロ協奏曲」が演奏され、ルイジ・ピオヴァノ(サンタ・チェチーリア管第1ソロ・チェロ奏者と紹介されているが、来日中の同管弦楽団のメンバー表には彼の名は乗っていない)が、野性的な、力動感あふれるソロを聴かせてくれた。
 アンコールで彼はメモを見ながら日本語で挨拶、東北大震災の被災者や犠牲者に捧げると言って「赤とんぼ」を演奏した。これはRoberto Granciなる人が2008年にチェロ四重奏のために編曲したものの由で、今回は読響のチェロ・セクションと一緒に演奏。泣かせる趣向ではある。

 この協奏曲での下野竜也と読響の演奏もすこぶる豪快なものだったが、もちろん前後の2曲における演奏も素晴らしい。弦楽合奏でしっとりと演奏された「夜想曲」も良かったが、下野の力量を今まで以上に鮮やかに感じさせたのは、やはり「第5番」だ。凡庸な指揮なら訳が解らなくなるようなこの「5番」を、彼は実に手際よく指揮してみせた。

 あの風変わり(?)な第1主題が転調しながら進んで行く第1楽章を、かくも多彩に、旋律美を存分に浮彫りにして演奏した例は稀であろう。
 また、何となく愉快な曲想をもつ第4楽章――特に第395~401小節でドヴォルジャークが稚気満々(?)、臆面もなく畳み込んで行った可笑しな個所でも、下野は何の衒いも小細工もなく、ごうごうと押す。
 全身を躍動させての彼の指揮に、読売日響がダイナミックに反応しながら熱狂的な演奏を展開する様子を見ながら、この人は本当に凄い指揮者になって来たな、と感嘆してしまう。

 大詰めの【Q】で、トランペットのリズム・モティーフの方を浮かび上がらせるか、それともトロンボーンによる全曲統一モティーフの方を浮かび上がらせるか、それにより音楽のイメージも全く変わってしまうものだが(私は後者の方が好きだが)、下野はその両者をすこぶる巧みなバランスで構築していた。読響も上手い。

コメント

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あらら、「泣かせる趣向ではある。」だなんて、
東条さんきっと泣いちゃったんだネ、
 名乗らないでごめんなさい、つぶやきの趣向です。

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