2020-05

10・3(月)サントリーホール オペラ・ガラ

   サントリーホール  7時

 サントリーホールフェスティバル(開館25年記念)が開幕したばかりとあって、客席内にも華やかな装飾が見られるが、このガラ・コンサートそのものは、三菱鉛筆の創業125周年スペシャルと銘打たれている。

 ベルリーニ、ロッシーニ、ドニゼッティ、ヴェルディ、プッチーニ、といったイタリア・オペラを集め、ジュゼッペ・サッバティーニが指揮する東京交響楽団と東響コーラスに、3人の若手歌手が出演。序曲(またはシンフォニア)やアリア、二重唱などをいっぱいに詰め込んだプログラムだ。

 ダヴィニア・ロドリゲス(スペイン)は、第1部で歌った「ルチア」などでは未だ緊張が解けていなかったのかもしれないが、第2部で歌った「椿姫」の「ああ、そはかの人か~花より花へ」で実力を全開、「ラ・ボエーム」の「私の名はミミ」でベストを発揮した。容姿も声も張りがあって実に美しく、このまま伸びれば素晴らしいプリマになるだろう。

 デヤン・ヴァチコフ(ブルガリア)は、第1部で歌った「セビリャの理髪師」のバジリオのアリアより、第2部での「マクベス」や「シモン・ボッカネグラ」などヴェルディの悲劇的なアリアの方に迫真力を示した。凄みを利かせた声がいいのは、さすがブルガリア出身だけのことはあるか。長身だし(ちょっと細身だが)舞台映えするだろう。

 イタリアのテノール、フランチェスコ・デムーロは、第1部のトリを飾った「連隊の娘」の例のハイC連発で大健闘、これはなかなかやるぞと思わせたが、その疲れが出たのか、第2部での「女心の歌」や「冷たき手を」では少々雑な発声になってしまった。

 サッバティーニの指揮は今回初めて聴いたが、歌い手に対しては、たしかにいいサポートかもしれない。しかし、「ナブッコ」の「行け、わが想いよ、黄金の翼に乗って」などでは遅いテンポを全く保ち切れずに緊迫感を欠く指揮になったかと思えば、「シチリア島の夕べの祈り」序曲では結構劇的に煽り立てるなどあったりして、何だかよく解らない。ただ、こう言っちゃ何だが、この人の指揮する演奏は、どうも単調である。

 東京交響楽団は、長いプログラムを無難にこなした。予想以上の良さを聴かせたのは、東響コーラスだ。特に前出の「ナブッコ」の合唱の最後の長い美しい最弱音は、歌劇場の専門の合唱団に匹敵する見事さだった。

コメント

私も行きました。 テノールのデムーロは来日直前まで出ていたROHで、風邪で中途降板した共演歌手の風邪が移り、完全鼻詰まり状態で夜も眠れず、ガラ当日は最悪のコンデションだったそうです。それでも予定曲全部歌えたのでびっくりしました。でもアンコールまでは持たなくて一人で歌うアンコールはパスしましたね。

サッバティーニ 公開マスタークラス(基礎テクニック編)

9月22日はサッバティーニによる公開マスタークラスを聴講。
3名の歌手がそれぞれ約1時間の指導の中で素晴らしく変身する姿を目の当たりにして楽しかった。サッバティーニはしばしば自分で歌って指導してくれた。「歌うのは私じゃない。あなただった」と、指導していたことを忘れて気持ち良く長く歌い過ぎた場面もあった。

サッバティーニ独特のピアニッシモがもう舞台で聴けないのは寂しい限り。サッバティーニにとって指揮をすることはそんなに重要なのだろうか。ファンとしてはまだまだ歌って欲しい気がする。
歌手で大成功している指揮者は?
ドミンゴは指揮しますが…。また、クーラは指揮しながら歌うという公演をしたことがありますが…。

ナブッコの弱音

お褒めいただけ,光栄です。
あの「響き」を大切にした終り方は,サッバティーニの強い指示でした。
日本の演奏会でありがちな「すぐ拍手」が起きなかったので,歌っていて「やった!マエストロの意図が実現できた!」と思いました。
練習を通して,イタリア人のこの曲に対する想いを教えてくれたように思います。

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