2017-11

5・3(火)ラ・フォル・ジュルネ金沢 井上道義指揮OEK

   石川県立音楽堂コンサートホール  2時

 このホールで聴くOEKはいいものだ、と誰かが以前言っていたが、なるほど納得できるような気がした。
 ここで聴いてみると、OEKは、サントリーホールで聴く音色とはかなり異なり、形容しがたい独特の香気を放っているかのようである。このオーケストラはこのホールで育ち、音をつくっていったのだな、と思う。
 昨夜の「冬の旅」でもそうだったが、特に弱音でのふわりとした柔らかい音色は絶品だ。ホールは残響が豊かで、響きに奥行きと深みが備わり、しかも細部が混沌とならずに明晰に聞こえるという利点があるため、井上道義がダイナミックにオケを鳴らしても、それをバランスよく飽和させてしまうのかもしれない。

 聴く位置により若干の食い違いは出るだろうが、しかしとにかくこれは、ホールとレジデント・オーケストラの幸福な調和――という一つの例だろうと思う。

 この時間のコンサートは、シューベルト特集。
 最初の「交響曲第5番」では、やや自由な感興と躍動を伴った井上の指揮が、この曲の澄んだ叙情と気品とを申し分なく描き出した。木管の一部にいくつか不安定な個所があったのは惜しいが、しかし綺麗な演奏であった。
 そのあとには、「キリエ」の「ニ短調D.31」と「ヘ長調D.66」の2曲。いずれも合唱を伴った短い作品である。オーケストラ・アンサンブル金沢合唱団と、ソリストとして森岡紘子と志田雄啓。井上道義のいいテンポ。

 このコンサートは、HAB(北陸朝日放送)が生中継していた。終演後エスカレーターを降りて行くと、ちょうどナマ放送のクロージングのインタビューが行なわれていて、池辺晋一郎さんが喋っていたので、ちょっと笑わせてやろうかと近くへ寄ったが、当然ながら彼はカメラ目線であって、此方など見るはずはない。
 バカな計画は放棄して、すぐ隣のホテルに戻ってテレビをつけてみたら、まだ番組は続いており、今度はマエストロ井上が熱弁を振るっていた。それはともかく、TVの画像を見ると、先刻私が池辺さんをからかおうとした位置は、もしそんなことを本当にやっていたら、完全にカメラの枠の中に入ってしまうポジションだったのである。冷汗三斗。

コメント

にゃ~んだ、テレビの画面に東条妖怪は出なかったんですかい、テレビに映るチャンスだったのに~!

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