2020-04

4・27(水)ロジャー・ノリントン指揮NHK交響楽団のベートーヴェン

   サントリーホール  7時

 弦10-8-6-6-6で演奏された「プロメテウスの創造物」序曲、交響曲第2番、ピアノ協奏曲第5番「皇帝」というプログラム。当節の演奏会としてはユニークな配列で、しかも短い。

 がっちりと構築された造型の裡に、スコアから自由に発想して展開させたクレッシェンドやデクレッシェンド、強烈なスフォルツァンドやアクセントが大きな起伏をつくる演奏は、すべてノリントン・スタイルによるものだ。
 堀コンマス率いるN響がおとなしくついて行ったのは感心だが、もし上岡敏之なり誰なり日本人指揮者がこういう演奏をしようなどと言ったら、たちどころに叛旗を翻すのでは?

 それはともかく、演奏はいろいろな意味でスリリングで、面白い。
 ホルンがピリオド楽器のスタイルに近く、ひときわアクセント豊かに吹かれるのもお馴染みだろう。ただ、私の席(1階18列やや左)から、このホルンだけがホールの下手側の壁に乱反射(?)して、下手側の舞台一杯に音が拡がって響いて聞こえるのだけは、どうにも気になった。3曲とも同様である。

 最初の序曲の最後の思い切りのいい和音と同時に指揮者が客席を向いてしまい、「終わりでござい」とにこやかに両手を拡げて見せるのは、ロジェストヴェンスキーばりの大芝居。カーテンコールで聴衆に向かい軍隊式の敬礼をしてみせたことさえあるノリントンだから、このくらいのユーモアは珍しくもないが、N響楽員のあくまで真面目くさった顔(全員が、というわけではない)とは、何ともアンバランスな対照を為していた。

 「皇帝」のソロは、ベルリン生れの若いマルティン・ヘルムヒェン。あたかもフォルテピアノを思わせる、明晰で硬質な音色で弾く。ノリントンのスタイルに呼応した「皇帝」であったが、冒頭のカデンツァをはじめ、時々、いわゆるヴィルトゥオーゾ風な勢いで弾き飛ばす傾向、なきにしもあらず。
 8時40分頃には演奏が終る。

コメント

久しぶりに、面白い演奏に出会って、楽しかったです。
2階席センターブロックの真後ろに座っていました。
普段なら、眠って時間を過ごしてしまいそうな、第2番。面白かった。
<<皇帝>>。親子ほども離れているけど、共演していて本当に得るものが多かった
のは、M・ヘルムヒェン(Pf)だったでしょうね。カーテンコール時にそう思いました。
第1楽章の最後の和音の響かせ方(あの残響の残させ方)、観客側にとって、びっくりしたんでしょうね。咳払いのタイミングが、すぐにやってこなくて。NHKホールだと、あの残響の処理、どこまで、周知させ得たでしょうか。
なによりも、面白い演奏でした。(サントリーでN響を、たまに聴くからでしょうけど)

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