2020-05

11・29(木)デプリースト指揮東京都交響楽団
 「アレクサンドル・ネフスキー」

  サントリーホール

 プロコフィエフの「アレクサンドル・ネフスキー」は、先月、ラザレフと日本フィルが色彩的な快演をやってのけたばかり。
 それとは全く色合いは違うが、今日もまた魅力的な「ネフスキー」を聴くことができた。

 実に切込みの鋭い表現である。響きも明快で、リズムも歯切れよい上に、何よりカンタービレが見事で、旋律の美しさが浮き彫りにされていたのがうれしい。色彩的な魅力ではラザレフに一歩を譲ったけれど、全曲をがっちりとまとめた構築力という点では、こちらの方に分があるだろう。
 「氷上の戦い」では、デプリーストは比較的速いテンポで戦闘場面の描写を開始したが、そのあとさらにテンポが速められていくあたりの呼吸もことのほか素晴らしく、後半に入って緊迫感が緩まなかったのも、彼の腕の冴えである。ただその一方、それを受けて始まる「死せる野原」での深沈たる悲哀感が比較的淡々と進められたのは、デプリーストの全曲構築上のバランス感覚ゆえとは思うが、物足りなく感じられるところもあった。
 
 総じてこの「ネフスキー」は、淡彩かつ剛健な演奏である。しかしこれは、先日の「イワン雷帝」に続くこのコンビの快演というべく、この路線をもっとたくさん聴きたかった、としみじみ思う。残念ながら、デプリーストは来春で都響のポストを退任することになっている。

 合唱は、二期会合唱団。ラザレフの時の東京音大に比べ、人数も3分の1程度(80人位?)であるにもかかわらず、さすがに量感も迫力も、前者をはるかにしのぐ。発音にメリハリがあり、したがってリズム感も明晰そのものだから、音楽に生き生きとした躍動が生まれる。最後のクライマックスも、今回は充分に決まった。
 メゾ・ソプラノのソロは竹本節子。なおプログラムの前半には、スクリャービンの「夢想」というめずらしい小品と、モーツァルトの「プラハ」が演奏された。

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