2020-04

11・26(月)ドレスデン・オペラ「サロメ」

  東京文化会館
 
 ファビオ・ルイジが指揮して、日本公演の「有終の美」を飾る。

 シュターツカペレ・ドレスデンの演奏もまず良かった。ルイジはこの「サロメ」の音楽を、他の指揮者のように絶叫怒号させることはしない。この曲がこれほど叙情的な要素の強いものだったのかと、改めて認識させられたほどである。
 配役にもカミッラ・ニールンド(サロメ)、アラン・タイトゥス(預言者ヨカナーン)、ヴォルフガンク・シュミット(ヘロデ王)、ガブリエレ・シュナウト(ヘロディアス)といった腕利きが揃い、音楽的にもバランスのいい舞台を創り上げていた。
 
 演出は、春のドレスデン上演の際とほぼ同じ(→3月17日)。
 とはいえ、サロメの踊りの全くない「7つのヴェールの踊り」の場面は、やや変更されていたような気もする。あの時には、上記4人のエロティックな関係がもう少し具体的に描かれていたという記憶もあるのだが、定かではない。
 だがあのラストシーンは、どんなものだろう。ドレスデン上演の際には、サロメが白布を少し持ち上げていて、斧を手に駆け寄ったヘロデがそこになにか異様なものを見て(観客席からは見えない)恐怖のあまりのけぞる、という演出になっていたと記憶する。その点、今日の舞台では、ヘロデがなぜ斧を取り落として立ちすくむのか、あまりよくわからなかったのではないか。

 今回の一連の日本公演では、ルイジが振った時と、他の指揮者たちが振った時との間に、かなり演奏上のギャップがあった。
 裏の事情もいろいろ聞くけれども、とにかく一番ワリを食ったのは準・メルクルだったようである。芸術の殿堂みたいなイメージのゼンパー・オーパーにも、複雑な内情があるということ。指揮する演目を強引に変更されたメルクルには気の毒なことになり、その分、音楽総監督ルイジは点を稼いだ。といって、ルイジを非難しているわけではないのだが。

コメント

本当にドレスデンファンとしては、
オーケストラの各メンバーが
「裏の事情」に左右されない芸術を愛する心を
昔のようにしっかり持っていてほしいと願いますね。

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://concertdiary.blog118.fc2.com/tb.php/103-172fda5d
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | HOME |  »

























Since
September 13, 2007

これまでの来訪者数

最近の記事

お知らせ

●2007年7月以前のArchivesを順次、アップロード中です。併せてご覧下さい。
2007年7月
2007年6月
2007年5月
2007年4月
2007年3月
2006年7月

Category

ブログ内検索

プロフィール

リンク

News   

雑誌 モーストリー・クラシック に連載中
「東条碩夫の音楽巡礼記」