2020-01

2020・1・24(金)アンドレア・バッティストーニ指揮東京フィル

      サントリーホール  7時

 阪田知樹をソリストに迎えてのラフマニノフの「ピアノ協奏曲第3番」と、ベルリオーズの「幻想交響曲」というプログラム。コンサートマスターは依田真宣。

 バッティストーニの指揮だから、さぞや猛烈大暴れの演奏になるかと思いきや、案に相違して、ラフマニノフは━━指揮者とソリストとのどちらが主導権を取っていたかは別として━━これほど端整な「3番」も珍しい、という演奏になっていた。

 阪田知樹は未だ26歳か27歳の若手注目株だが、「ネクタイをきちんと締めたような演奏」(コリン・デイヴィスの表現)でラフマニノフを再現する。とはいえ、味も素っ気もない演奏かというと、全くそうではなく、あたかも白色の透明な光を当てたラフマニノフというイメージであり、これもまた不思議に快い感覚を呼び覚ましてくれるのである。
 バッティストーニも全力でオケを鳴らしたのはせいぜい全曲の大詰めあたりだったか。何となく彼が独りで懸命にシンフォニーをつくり、ピアノをオブリガートのような存在に押しやっていた感がしないでもなかったが・・・・。

 その反動が「幻想交響曲」に現れるのかと思ったが、これも意外に━━特に前半の3つの楽章では、バランス重視の演奏になっていたという印象なのである。ライヴ・レコーディングをやっていたそうだから、そのために慎重になったか? しかし、そこでの東京フィルの演奏は実に整然とした、かつ厚みのある、緻密なものになっていたのは確かである。

 後半の2つの楽章━━「断頭台への行進」と「ワルプルギスの夜の夢」になると、これはもう、さすがバッティストーニ、仁王の如く力感を漲らせて、重厚にして豪快、ダイナミックなベルリオーズを描き出した。幕切れ近くからはテンポを猛然と煽り立て、悪魔の狂乱を絶頂に導いて締め括った。
 オーケストラも部分的にはちょっと乱れ気味になったが、こういう曲の、しかもライヴなら、多少乱れてもいいから熱狂してもらった方が面白い。

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