2020-01

2020・1・21(火)尾高忠明指揮大阪フィル 東京公演

      サントリーホール  7時

 音楽監督・尾高忠明の指揮で、第1部ではスティーヴン・イッサーリスをソリストに迎えてエルガーの「チェロ協奏曲」が、第2部ではブルックナーの「交響曲第3番」(ノヴァーク版第3稿)が演奏された。コンサートマスターは崔文洙。

 尾高忠明が音楽監督に就任して以来、大阪フィルはアンサンブルが目覚ましく整備され、精緻な音を響かせるオーケストラになった。昔の「野武士的」と呼ばれた豪快な音を出す個性もそれはそれで一つの魅力ではあったが、このしっとりした落ち着きのある音もまた快い。

 第1部では、イッサーリスが秘めやかな弱音の、しかしよく通る音で、この上なく美しいエルガーを弾き、尾高と大阪フィルも、これに静謐な表情で応答して行った。この曲の瞑想的な、しかも気品に満ちた叙情性を、これほどよく浮き彫りにした演奏もまたとないだろうとさえ感じられた。しかもイッサーリスは、アンコールでのカザルスの「鳥の歌」をさえ、囁くように語り続けて行ったのである━━。

 針の落ちる音さえ聞こえそうな静寂に満ちた第1部のあと、第2部のブルックナーでは、オーケストラは堰を切ったように大音響を轟かせはじめたが、その音の緻密な均衡は、もう昔の大阪フィルとは全く違う。これがあの同じオケかと思わせるほどの整然たる音の構築である。それゆえアダージョの第2楽章は、とりわけ絶品だった。

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