2019-12

2019・12・20(金)ロイヤル・オペラ・シネマ「ドン・パスクワーレ」

       東宝東和試写室  3時30分

 1月10~16日に東宝東和系映画館で公開される、ロイヤル・オペラ・ハウス(ROH)の10月24日の上演ライヴ映像、ドニゼッティの「ドン・パスクワーレ」を観る。上映時間は休憩1回を含め、約3時間。

 今回はダミアーノ・ミキエレットの演出で、全体としては洒落っ気のあるステージだ。 
 ただし大詰の場面は、先日(2019年11月13日)の新国立劇場での演出に輪をかけたエイジ・ハラスメントになっていて、こんなのに盛大な拍手を送る高齢者はどうかしているとしか言いようがないが、まあ人間の出来た寛容なご老人方は、気兼ねなくご覧になるがよろしかろう。

 とにかく、その舞台の美術(パオロ・ファンティン)が、簡素ながら洒落ているのだ。銀色に輝く骨組みだけの屋根、ドアはあっても壁のない部屋のつくりなども悪くないし、悪妻ノリーナの濫費の所為もあって家具や乗用車が━━おまけにメイド(黙役だが味あり)の服装まで━━グレードアップして行くという念の入れようなど、吹き出したくなるような趣向もあることは事実なのである。
 パスクワーレが、ノリーナの落して行った「手紙」を盗み見る場面が、彼女が忘れて行ったスマホを覗き見る設定に変えられているところなどは、当節流行りの手法だ。

 それに、演奏がいい。意外に好人物風に見える設定のドン・パスクワーレを歌い演じたブリン・ターフェルはこの役が初めてだという話だが、悪役ばかりがおれの持ち味ではないぞと言わんばかりの好演が印象に残る。狡猾なマラテスタ役のマルクス・ヴェルバと、豹変するノリーナ役のオリガ・ペレチャッコは、演技はさほどではないが歌唱で聴かせていた。ターフェルとヴェルバの早口の掛け合いの二重唱は見事である。
 エヴェリーノ・ピドの指揮も、いつぞやのROHでの「ホフマン物語」と同様、手慣れたものだ。

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