2019-12

2019・12・16(月)アラン・ギルバート指揮東京都交響楽団

      サントリーホール  7時

 首席客演指揮者アラン・ギルバートが登場。日本の聴衆にも大変な人気だ。
 今日はマーラーの「交響曲第6番《悲劇的》」を指揮したが、拍手も、特に演奏後に浴びせられた歓声もひときわ大きく、ソロ・カーテンコールも繰り返された。
 今日のコンサートマスターは矢部達哉。

 今回はアンダンテ・モデラートの楽章が第2楽章に、スケルツォが第3楽章に置かれ、また第4楽章では、マーラーが改訂の際に削除した「3度目のハンマー」が復活されるという形。
 都響もホルン群を筆頭に各パートが充実、アンサンブルのバランスも最良の部類に属し、熱演と呼んでもいい演奏になっていたと思う。

 それに対しては敬意を表するのだが、半面、あまりにエネルジコ(精力的に力強く)一本で押しまくった感も免れない。その所為もあって、この演奏には「悲劇的」というイメージはほとんど感じられなかった。
 そういった標題音楽的要素に敢えてこだわるつもりはないのだが、たとえば第4楽章などになると、それを無視するわけにも行くまい。

 つまり、何度か音塊が緊張度を高めつつ激しく寄り集まって行き、それらが頂点に達するたびに、ハンマーの強烈な一撃で崩壊する、というこの楽章の構造━━標題音楽的に言えば、「英雄」が力を振り絞って何度か闘いを試みつつも、その都度「運命」たるハンマーにより打撃を受けるという過程が繰り返され、「3度目の打撃」ではついに再起不能の絶望に陥る、というストーリーになるわけだが━━それを描き出すための音楽の大きな起伏と変化が、今回はどうも明確に感じられず、全体がただ力任せの演奏になり過ぎていたのではないか、ということなのである。

«  | HOME |  »

























Since
September 13, 2007

これまでの来訪者数

最近の記事

お知らせ

●2007年7月以前のArchivesを順次、アップロード中です。併せてご覧下さい。
2007年7月
2007年6月
2007年5月
2007年4月
2007年3月
2006年7月

Category

ブログ内検索

プロフィール

リンク

News   

雑誌 モーストリー・クラシック に連載中
「東条碩夫の音楽巡礼記」