2019-12

2019・12・11(水)秋元松代作 長塚圭史演出 「常陸坊海尊」

      KAAT神奈川芸術劇場 ホール  2時

  常陸坊海尊は、源義経の奥州での最後の戦いの前に「帰らずして失せにけり」となったということでさまざまに批判されてきた人物だが、その後何世紀にもわたっていろいろな場所に姿を現すという不思議な伝説の持主でもある由。

 この新作演劇では、その海尊が全ての迷える者たちの罪障を一身に引き受け、精神的な慰めを与える存在として結論づけられているらしい。
 らしい、と書いたのは、3時間以上(10分の休憩2回を含み、終演は5時を過ぎた)経ってからその結論が唐突に出るので、なるほどそうかと思うには多少考えを整理しなければならないからだ。

 とはいえ、それまでの物語には、「本州さいはての地」を舞台に、あふれる東北弁(みんな上手い!)の響きの裡に、イタコの魔力、太平洋戦争中の学童疎開、十数年後の学友の再会など、涙を催させる感動的な場面がいくつもある。
 時代を隔てた3つの幕が、いずれも「海尊さま!」という叫びをキーワードとしているところに、いつの世にも救済を渇望する人々の姿が象徴されているというわけであろう。

 主演は白石加代子(イタコのお婆)、中村ゆり(巫女)、平埜生成(啓太)他。
 白石加代子という人は、あの物々しい喋り方が私には昔から苦手だった。だが、いざ芝居となるとまさに圧倒的な存在感を示すのは、流石というほかはない。今回は魅了された。

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