2019-11

2019・11・1(金)アレクサンドル・ラザレフ指揮日本フィル

     サントリーホール  7時

 「ラザレフが刻むロシアの魂」シリーズの一環で、今月定期はグラズノフの「交響曲第6番」と、ストラヴィンスキーの「火の鳥」全曲。コンサートマスターは扇谷泰朋。

 グラズノフという作曲家は、私には以前からどうも相性が悪い。「四季」の「秋」の冒頭部分だけは、子供の頃にニュース映画だかニュース番組だかのテーマ音楽でよく聴いたから、何となくノスタルジー的な親しみがあるのだが、その他の曲については、仕事上の付き合いにのみ限られているのが正直なところだ。しかし、世の中にはやはりグラズノフを愛する人も多いようで、今日の爆演のあとでもブラヴォーの声が少なからず飛んでいた。

 後半は「火の鳥」。
 このオリジナル版には、リムスキー=コルサコフにも師事したことがあるストラヴィンスキーの「ロシア色」が色濃く如実に刻まれていて、格別の面白さがある。4管編成の大管弦楽だが、今日のラザレフは予想外に音量を抑制して、グラズノフの交響曲よりもむしろ控えめな表現を採っていたのが意外であった。しかし、日本フィルから多様な色彩に富む響きを引き出す点では、ラザレフの手腕は、相変わらず鮮やかだ。

 今回はステージに近い2階席下手側と上手側とオルガン下にトランペットを配置し、「夜明け」の個所でそれらを3方から呼応させるという手法が採られていたが、短い音型だし、華麗なフォルティッシモでもないので、折角の趣向もさほど効果が上がらなかったのではないか。またラザレフは、冒頭から驚くほど速いテンポで発進、「戯れる王女たち」の部分では軽やかな推進力で飛ばすなど魅力的な表情も見せつつ、演奏時間も40分ほどに納めてしまった。

 ただ、演奏全体の密度の濃さから言えば、今日はグラズノフの交響曲の方に分があったようにも感じられたのだが━━。

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