2019-09

2019・9・25(水)パーヴォ・ヤルヴィ指揮NHK交響楽団

      サントリーホール  7時

 B定期の初日公演。
 エストニアの作曲家トゥールの「ルーツを求めて~シベリウスをたたえて~」に始まり、デンマークの作曲家ニールセンの「フルート協奏曲」がエマニュエル・パユのソロで演奏され、後半にはフィンランドの作曲家シベリウスの「第6交響曲」と「第7交響曲」が切れ目なしに演奏されるという、極めて流れのいいプログムが組まれていた。コンサートマスターは客演のアンドレアス・ヤンケ。

 パーヴォ・ヤルヴィが祖国の作曲家エルッキ・スヴェン・トゥールの作品を盛んに紹介してくれるのは有難い。そのどれもが心を打つ作品とは言い難いけれども、パーヴォがこの作曲家に寄せる愛情と共感が、それらを他の指揮者とは一味違う良さを以って響かせてくれるのは確かであろう。
 今日の「ルーツを求めて」でも━━それが「シベリウス的」であるかどうかは別として━━トゥールなりの「シベリウス讃」なるものが多少なりとも感じ取れて、興味深いものがあった。

 その重々しくいかつい音楽の雰囲気を、ニールセンのコンチェルトが、さっと吹き払うといった感を与えてくれたのが、パユの爽やかな演奏。なお彼が吹いたソロ・アンコールは、同じニールセンの劇音楽「母」からの「子どもたちが遊んでいる」という曲の由。

 この2つの曲を受ける後半のシベリウスが、「1番」や「2番」などでなく、後期の円熟した作風の「6番」と「7番」であったことは賢明な選曲といえるだろう。
 ただしパーヴォの指揮はすこぶる激しい、鋭角的で大きな起伏に富んだもので、シベリウス後期の落ち着いた曲想に劇的な要素を盛り込み、この作曲家の不屈の剛直な気風を浮き彫りにしていたイメージになっていた。
 N響の演奏には多少の粗さも感じられたが、それは1階席のやや前方(14列)という位置で聴いた所為かもしれない。

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