2019-09

2019・9・24(火)大塚玲子ピアノ・リサイタル

      東京文化会館小ホール  7時

 大塚玲子は、桐朋学園とモスクワ音楽院で学び、同音楽院研究科を最優秀で修了、2012年パリにおけるスクリャービン国際コンクール優勝を飾った人だ。彼女の演奏を聴いたのは、今回が最初である。

 プログラムは、リストとスクリャービンを核にしたもので、最初にチャイコフスキーの「四季」から「トロイカ」など3曲、以下グリンカ=バラキレフ編の「ひばり」、シューベルト=リスト編の「愛の便り」と「万霊節の連祷」、リストの「ダンテを読んで(ソナタ風幻想曲)」、アレンスキーの「アンダンテと変奏曲」、最後にスクリャービンの「ソナタ変ホ短調」「2つの詩曲」「ソナタ第9番《黒ミサ》」といった作品が演奏された。

 初めのうち、チャイコフスキーからシューベルトあたりまでは、緊張の所為なのか、ピアノ(ヤマハCFX)との相性の問題なのか、音が不思議に軽く細く、客席後方までまっすぐ伝わって来ないような傾向が感じられてもどかしい思いにさせられたが、リストのソナタに入り低音のモティーフが力強く鳴り始めると、演奏は途端に生気を取り戻した━━彼女は、低音にある種のこだわりを持っている人なのだろうか。

 休憩中に、ピアノにほんの少し調律が行なわれたためか、アレンスキー以降では、それまで少し冴えなかった高音域にも輝かしさが戻って、バランスの良い音色の演奏が繰り広げられた。
 スクリャービンは流石に緊密度の高い演奏だったが、やはりロシアの演奏家によるそれと異なり、繊細さと叙情性が前面に出て、ロシアのショパンとでもいうような趣になっていたのが興味深い。このような日本人の感性によるスクリャービン像というものがあっても、少しも不思議ではないだろう。

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