2019-09

2019・9・16(月)ベルリオーズ:「ロメオとジュリエット」バレエ付
大野和士指揮東京都交響楽団

    東京芸術劇場 コンサートホール  2時

 東京都と東京都響が主催する「サラダ音楽祭 TOKYO MET SalaD MUSIC FESTIVAL 2019」━━「サラダ」とは「Sing and Listen and Dance」の略「SalaD」なのだそうで、これは東京芸術劇場を中心に池袋エリアや日比谷公園などで開催されるクラシック音楽中心の大イヴェント。

 そのメインコンサートが、この大野和士と東京都交響楽団によるベルリオーズの劇的交響曲「ロメオとジュリエット」だ。
 協演が新国立劇場合唱団(合唱指揮・冨平恭平)、谷口睦美(S)、村上公太(T)、妻屋秀和(Bs)の他、今回は安達悦子振付による東京シティ・バレエ団が加わり、福田建太(ロメオ)、斎藤ジュン(ジュリエット)および10人の踊り手たちが出演した。コンサートマスターは矢部達哉。

 この曲がバレエ入りで演奏されるケースは、滅多にないだろう。そのバレエは、ステージ前面で展開される。
 冒頭の「序」の中で早くもバレエが━━言うまでもなくモンタギュー家とキャピュレット家の争闘を描くものだが━━始まった時には少々違和感を覚えないでもなかったが、しかし全曲ぶっ続けにバレエが絡むわけではなく、音楽にすべてを集中させる仕組は当然考慮されている。

 そして、このバレエの振付は極めて音楽とよく調和していて、「舞踏会の場面」ではもちろん巧く効果を発揮しているし、「愛の場面」でもアダージョのあの美しい主題の昂揚とともにパ・ド・ドゥが高々と決められる瞬間など、なかなか感動的だった。
 何より効果的だったのは「墓地の場面」だろう。ここは昔A・Coquardだったかも辛辣に皮肉を述べていたところで、独りよがりの描写的音楽が何を意味しているのやら、バレエか芝居でも入れなければさっぱり解らないと指摘された個所だが、その点、今日のバレエでは、恋人たちが相手の身体に取り縋って悲嘆に暮れるさまが明確に描かれ、音楽の動きと完璧に合体する光景が見られたのである。

 演奏の方は、大野の指揮だけあって、声楽も管弦楽も密度の濃いものであったが、ただ、大野がオケを抑制したのか、あるいはオーケストラの位置の所為か、ステージを前面まで拡げたことによる音響の変化か、それとも反響板の関係か、よく判らないけれども━━何となく「音が遠い」印象で、ベルリオーズの管弦楽法の量感と力感が今一つ客席まであふれ出してこない、という感がしないでもなかった。私が聴いたのはいつもの2階席前方である。

 字幕が付けられていたのは、良いアイディアだった。「恨みを捨てて、友よ、永遠に友情を誓おう」と歌われる最後のシーン。こういう歌詞を含む音楽は、今日この頃、ひときわ心を打つ。

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