2019-09

2019・9・8(日)大野和士指揮東京都交響楽団&アチュカロ

     東京芸術劇場 コンサートホール  2時

 シベリウスの「トゥオネラの白鳥」(イングリッシュ・ホルンのソロは南方聡子)、ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」(ソロはホアキン・アチュカロ)、シベリウスの「交響曲第2番」というプログラム。コンサートマスターは山本友重。

 高齢のピアニスト、アチュカロの演奏は、今年1月の山田和樹&読響でラヴェルのコンチェルトを聴いたばかり(☞2019年1月12日)だが、この人のラフマニノフもまた個性的で面白い。
 全体にゆっくりしたテンポで、所謂ヴィルトゥオーゾ的な華やかさを誇示するスタイルとは全く対極の位置にある演奏だ。しかもそれが奇を衒ったような遅いテンポでなく、音を慈しむように心を込め、しかもスケール感豊かに弾かれるのだから、ラフマニノフという作曲家が通常とは全く異なった顔を持って立ち現れることになる。

 もっとも、第3楽章で、彼特有の民族舞曲のような可笑しなリズムが、ゆっくり、どっしり演奏されると、何だか余計に滑稽に聞こえるのも事実で━━しかも大野と都響が正面からそれに取り組み、全曲のエンディングを地響き立てるように遅い足取りで重々しく締め括ったあたり、微苦笑させられたものだ。
 アチュカロはソロ・アンコールにスクリャービンの「左手のための小品op.9-2(ノクターン)」を弾いたが、そのあたたかい音楽の表情には、無類の素晴らしさがあった。

 大野と都響の聴かせどころ、シベリウスの「第2交響曲」は、強固な構築と厳しい表情を備えた豪壮な演奏だ。第2楽章で繰り返されるクレッシェンドとデクレッシェンド、全曲大詰での全管弦楽の轟々たる昂揚など、金管群の鋭い咆哮が見事な緊張感を生んでいた。

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