2019-08

2019・8・29(木)G・ベンジャミン「リトゥン・オン・スキン」

       サントリーホール  7時

 恒例の「サントリーホール サマーフェスティバル」、今年のプロデューサーは大野和士で、23日から31日までの開催。その一環として、英国の作曲家ジョージ・ベンジャミン(1960年生)が2012年7月にエクサン・プロヴァンス音楽祭で初演したオペラ「リトゥン・オン・スキン」が取り上げられた。
 2回公演の今日は2日目。奥舞台を設置したセミ・ステージ形式上演だ。

 大野和士が東京都交響楽団を指揮。歌手はアンドルー・シュレーダー(プロテクター)、スザンヌ・エルマーク(妻アニエス)、藤木大地(少年、第1の天使)、小林由佳(マリア、第2の天使)、村上公太(ヨハネ、第3の天使)。ダンスは遠藤康行と高瀬譜希子(天使)。

 「スキン」とは、羊皮紙の由。「少年」(写本彩飾師)が書き記した文字と絵に籠められた秘密━━少年とアニエスの秘密の関係、怒れる夫プロテクターの少年殺害と妻アニエスへの惨忍な復讐。それらが幻想的な構成の裡に美しく描かれて行く。
 ジョージ・ベンジャミンの音楽が、いかにも現代英国の作曲家らしく紳士的な雰囲気に満ちていて、またいかにも彼がメシアンの直弟子であることを想起させるような色彩感覚をも備えているので、耳当りもよく、90分の上演時間はあっという間に過ぎてしまう。

 歌手陣も優れた出来だし、大野の手際の良さも特筆すべきものだろう。
 だが、それら演奏の見事さもさることながら、今日最も印象に残ったのは━━そして終演後の話題になったのは、針生康が担当した舞台総合美術のうちの「映像」だった。真っ白な奥舞台の上に設置された、高さ約5メートル、幅20メートル以上もあろうかと思われる巨大なスクリーンに映し出される動画は、驚異的に鮮明で、しかもストーリー性を持ち、演奏との合致も完璧である。その存在の雄弁さ。
 終演後のロビーでは、もしあの映像が無かったら、今日のセミ・ステージ形式上演はどういう印象になったかな、ということまで話題になったほどだった。

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