2019-08

2019・8・26(月)第17回 東京音楽コンクール 声楽部門本選

      東京文化会館大ホール  6時

 こちらは東京都歴史文化財団東京文化会館等が主宰するコンクール。今年は木管・ピアノ・声楽の部門に於いて開催された。応募総数は402名の由。

 すでに木管部門は22日に、ピアノ部門は24日に本選を終っている。今夜が締め括りというわけである。
 1階席のほぼ8割5分が聴衆で埋め尽くされるという賑やかさの裡に、現田茂夫指揮東京交響楽団のサポートにより、声楽部門応募者72名から第2次予選までを通過した5人の出場者が登場、オペラのアリアなどを各々3~4曲(各計20分ほど)歌い上げた。

 8時50分から壇上で行なわれた審査結果発表によれば、第1位該当者なし、第2位と聴衆賞が工藤和真(テノール)、第3位が井出壮志朗(バリトン)。以下「入選」が、小川栞奈(ソプラノ)、前川健生(テノール)および竹下裕美(ソプラノ)。

 事実、工藤和真は声質こそ少し地味ながら表現力には傑出したものがあり、井出壮志朗も歌唱のニュアンスにおいて優れたものを出していたと思われる。
 それにしても、1位なしは残念。大島幾雄・審査委員長や小林研一郎・総合審査委員長の審査結果報告や講評は、今年は総体的に「本選に出す前にもっと絞り込んだ方がいいのではないか」のレベルだった、という、恐ろしく辛口のものだったが、なるほど歴戦の歌手たちによる審査委員陣から見れば、そういう厳しい見方になるのだろう。

 とはいえ、私などは、出場者5人ともになかなかスジのいい若者が揃っていたと思いたくなるのであって、小川栞奈は声が明るく美しいし、前川健生も若さに任せた勢いが微笑ましく、「ばらの騎士」のテノールの歌など結構いい雰囲気を出していたという気がする。また竹下裕美も「エフゲニー・オネーギン」の「手紙の場」などという「難しい」ものを取り上げ、あそこまで一所懸命歌った意欲を誉めてあげたいところであった。

 それにまた講評の中で、「オーケストラと溶け合わない」歌い方がかなり強く批評されていたけれども、私としては、むしろ指揮者とオケの方が、いくら何でももう少し歌に「合わせて」演奏してやれないものかね、という印象が、最初から最後まで抜け切れなかった、と言いたいところだ。今夜のオケの演奏は、いかにも機械的で、そこにはどう聴いても、若者たちの歌を盛り上げてやろうとする「温かさ」が感じられなかったのである━━。

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