2019-08

2019・8・25(日)セイジ・オザワ松本フェスティバル
ふれあいコンサートⅡ(室内楽)

      ザ・ハーモニーホール(松本市音楽文化ホール) 4時

 3回の演奏会が組まれている室内楽演奏会「ふれあいコンサート」の今日は第2回、ベートーヴェン・プログラム。

 前半は「《ドン・ジョヴァンニ》の《お手をどうぞ》の主題による変奏曲」と、「オーボエ三重奏曲op.87」で、演奏はオーボエがフィリップ・トゥーンドル(シュトゥットガルトSWR響ソロ奏者)とマテュー・ペティジョン(モンテカルロ・フィル・ソロ首席)、イングリッシュ・ホルンがマックス・ヴェルナー(ベルリン・ドイツ響ソロ奏者)。アンコールはユーモラスな編曲の「エリーゼのために」。

 後半は「七重奏曲変ホ長調」。ヴァイオリンをジュリアン・ズルマン(トゥール管コンマス)、ヴィオラを叶澤尚子(名古屋フィル首席)、チェロを上村昇(アルティ四重奏団)、コントラバスを渡邉玲雄(愛知県立芸大教授)、クラリネットをリカルド・モラレス(フィラデルフィア管首席)、ファゴットをマーク・ゴールドバーグ(アメリカン・バレエ・シアター管他)、ホルンをニール・ディーラント(トロント響首席)。
 (以上、肩書はフェスティバル公式プログラム冊子に由る)。

 オーボエのトリオの、水際立った鮮やかさは改めて言うまでもない。
 だがそれ以上に今日の演奏で魅惑されたのは「七重奏曲」の面々だ。ズルマンの小気味よく切れのいいソロと、ディーラントの豪快なホルンとが特に目立ったが、さらにクラリネットとファゴットの柔らかい響きに日本勢の弦の中音域のアンサンブルがしっとりした音色で調和し、実に美しい演奏となった。
 速めのテンポで進みながらも、音楽は落ち着いた豊かな拡がりを感じさせる。特にmoll(短調)のハーモニーのふくよかな陰翳には、うっとりさせられるほどであった。このホールの音響の良さは格別なので、特に弦の響きには魅了させられる。久しぶりにこの「七重奏曲」の魅力を味わった思いだ。

 毎年のことながら、このフェスティバルにおけるいろいろなシリーズの中で、決して当たりはずれの無い演奏会がこの「ふれあいコンサート」である━━といっても言い過ぎではあるまい。

 この「ハーモニーホール」の音響の良さが抜群であることは確かだが、欠点は、会場へのアクセスが極端に悪いことだろう。松本からはJR大糸線でたった2駅、島内駅から徒歩数分の距離だが、この電車が1時間に1本か2本しかない。しかもシャトルバスもない。帰りのタクシーなど期待する方が間違いというほどの過疎状態。結局、最も確実なのは自家用車、ということになるのである。
 ただその分、静かな林の中にある雰囲気の良さは、格別ではあるが。
   (別稿 信濃毎日新聞)
   ☞(別稿)モーストリー・クラシック11月号「オーケストラ新聞」

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