2019-07

2019・7・29(月)PMFアメリカ演奏会

      札幌コンサートホールkitara 小ホール 7時

 PMFの教授陣には、ウィーン・フィルとベルリン・フィルから来ている「PMFヨーロッパ」と、アメリカの各オーケストラから来ている「PMFアメリカ」のグループとがある。概して前者は音楽祭の前半のアカデミーを、後者は後半のアカデミーを担当するのが例年の慣わしだ。
 今日はそのアメリカの先生たちの演奏会。ピアノには、佐久間晃子がゲストのような形で加わった。

 プログラムは、スイスのジャン=フランソワ・ミシェル(1957~)の「イースト・ウィンド」、ユージン・グーセンス(1893~1962)の「パストラーレとアルルキナード」、サン=サーンスの「幻想曲イ長調」、ベートーヴェンの「七重奏曲」。なかなか洒落た選曲である。

 「イースト・ウィンド」は、東欧のロマ(ジプシー)の雰囲気を持つ音楽と解説にはあるが、聴いた感じでは何となくスペインの舞曲といった印象だ。
 トランペットのマーク・J・イノウエ(サンフランシスコ響)と、トロンボーンのデンソン・ポール・ポラード(メトロポリタン・オペラ管)が、真面目くさった顔で吹きまくり、エンディングで突然「ヘイ!」と叫んでおどけた顔と姿になるというギャップの面白さで、満席の聴衆を大爆笑させた。

 またサン=サーンスの曲では、メトロポリタン・オペラ管のハープ奏者の安楽真理子と、コンサートマスターのデイヴィッド・チャンとが、この上なく清楚に美しい演奏を聴かせてくれた。チャンの率いるMETのオケはこれまで何回聴いたか判らないほどだが、演奏会で彼のソロをじっくりと聴いたのはこれが初めてである。叙情的なカンタービレの見事さに感心する。

2019・7・29(月)PMFオーケストラ・リハーサル

     札幌コンサートホールkitara 大ホール 午前10時、午後2時

 昨日午後、札幌に入る。昨日も今日も焼けつくような日差し。東京に比べれば湿度はずっと低いが、それでも日中は、北海道とは思えぬほど蒸し暑い(31度だったそうだ)。
 今回はホテルが狸小路とすすきのとの間あたりの繁華街にあるので、更に暑い。やたら大声が飛び交う街中では、日本語よりも中国語の方が多く聞こえる。

 PMFオーケストラのリハーサルは、31日夜にゲルギエフが指揮するはずのプログラムで、ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」とイベールの「フルート協奏曲」、ショスタコーヴィチの「交響曲第4番」の3曲だ。
 ゲルギエフは未だ来ていないので、下振りはアメリカ人指揮者のクリスチャン・ナップが担当している。彼は2年連続のPMF参加だが、このところマリインスキー劇場にも繁く客演しているので、ゲルギエフの信頼も篤いのだろう。

 イベールの「フルート協奏曲」は、今年のチャイコフスキー国際コンクールで優勝したマトヴェイ・デョーミンが吹くことになっているが、彼も未だ着いていないのか、リハーサルはオーケストラのみ。

 一方、「牧神」と「タコ4」の方はというと、いくつかの個所を除き、もうほとんど出来上がっているかのような演奏になっていたのには驚嘆した。今年もアカデミー生の水準は、極めて高いようである。
 「4番」の終曲、最後のクライマックスが築かれたあと、ハープとチェレスタと弦が謎めいた静寂へ溶解して行くあたりは、まさに鬼気迫る音楽としか言いようがないところだが、ここも殊のほか見事な演奏になっていたのである。ナップには失礼な言い方にはなってしまうが、ゲルギエフがこれを仕上げれば、さぞや凄愴極まりない音楽になるだろう。

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