2019-07

2019・7・27(土)沼尻竜典指揮トウキョウ・ミタカ・フィルハーモニア

      三鷹市芸術文化センター・風のホール  3時

 沼尻竜典が音楽監督を務めるトウキョウ・ミタカ・フィルハーモニアの第79回定期演奏会。
 1995年、このホールの開館とともに発足した時には「トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ」と名乗っていたが、2016年に現名称に改められた。ともあれ、私がこのオケをナマで聴くのは、実は今回が初めてなのである。

 メンバーは内外の優秀な奏者を集めるという形の、特別編成のオケだ。プログラムに掲載されている今日の出演メンバー表を見ると、コンサートマスターに中島麻、第2ヴァイオリン首席に山本はずき、ヴィオラに馬淵昌子や安藤裕子、チェロに丸山泰雄や金子鈴太郎、フルートに高木綾子・・・・といった具合に、錚々たる顔ぶれが並んでいる。

 今日は弦編成7-6-5-4-2でベートーヴェンの「英雄交響曲」を演奏していたが、客席数660前後のこのホールには、これはちょうどいい編成の規模に思えた。第2楽章の中ほど、あのホルンのモティーフを、(ホルン全員でなく)スコア通りに第3ホルンだけが1人で朗々と吹き、それが完璧に力強くオーケストラをリードしていたということはすなわち、この編成とホールとがバランスの良い関係にある、という証明にもなろう。

 プログラムはその他に、ロッシーニの「セビリャの理髪師」序曲と、モーツァルトの「ピアノ協奏曲第17番」だった。このモーツァルトのコンチェルトは、沼尻自身がピアノ・ソロを受け持つ全曲ツィクルスの一環で、彼のトークによれば「いよいよ残り10曲、あと10年で完成する」とのこと。

 ピアノの腕前も定評がある沼尻だから、実に気持のいいモーツァルトのコンチェルトだったが、それを弾いたあとに「エロイカ」を指揮してあのように緊迫感豊かな音楽をつくるのは大変なエネルギーではなかろうか。
 その「英雄交響曲」の演奏は、殊更に小細工や誇張をすることなく、流行りのピリオド楽器奏法を使うこともない、極めてストレートな手法によるものだったが、風格も説得力も充分だ。
 2階席後方で聴いた所為か、全体として管楽器群がかなり強く聞こえたものの、奏者たちの腕がいいので、内声部も明晰に交錯し合って響いて来る。そのため、ベートーヴェンの管弦楽法の見事さがごく自然に浮かび上がって来て、それが作品の偉大さを伝えてくれる。

 久しぶりに「英雄交響曲」の魅力を満喫した感で、暑い中を遠路遥々(?)三鷹まで来た甲斐があったというもの。ちなみに、このホール、JR三鷹駅からバスで10分ほどかかるが、そのバスがかなり頻繁に来るので、思ったほどの不便さは感じられない。
 次回の定期は来年3月14日で、ゲスト・ソリストは横山幸雄である。
       ☞(別稿)モーストリー・クラシック10月号 公演Reviews

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