2019-07

2019・7・6(土)三ツ橋敬子指揮いずみシンフォニエッタ大阪

     いずみホール  4時

 いずみホール(大阪城公園駅近く)を本拠とする「いずみシンフォニエッタ大阪」(音楽監督・西村朗、常任指揮者・飯森範親)は、2000年から活動しているオーケストラだ。メンバー構成は、東京の「紀尾井ホール室内管弦楽団」(旧・紀尾井シンフォニエッタ)とほぼ共通した形態を採り、関西に本拠を置く奏者たちを中心に、東京からも若干の参加者を集めている。

 私は2009年にこのオーケストラのメンバーが演奏するシェーンベルクの「浄夜」や、ブリテンの「カーリュウ・リヴァー」などを聴いたことがある。また定期公演も、2006年3月のもの(ストラヴィンスキーの「兵士の物語」他)を聴いている。しかし、このオケのフル編成による1ステージを聴くのは、どうやら今回が初めてのようだ。

 で、今日は、第42回の定期演奏会。
 三ツ橋敬子の客演指揮で、トゥリーナの「闘牛士の祈り」、ストラヴィンスキーの「プルチネルラ」組曲、薮田翔一の「ハープ協奏曲《祈りの樹》」、ラヴェルの「クープランの墓」(マイケル・ラウンド管弦楽編曲版)という、非常に興味深いプログラムである。
 ハープのソロは篠崎和子。コンサートマスターは最初の2曲がそれぞれ釋伸司と小栗まち絵、後半2曲が高木和弘。

 優秀な演奏家たちの集団だけあって、演奏は上手いし、立派だ。ただし最初のトゥリーナでは、綺麗な音色だが何となく演奏に素っ気なさが感じられ、楽員もつまらなそうな顔つきで弾いているように見える上に、カーテンコールでの答礼の際にも指揮者との呼吸が合わず、かつ不愛想な表情を客席に向けているので、このオケはもしやこういう体質なのか、指揮者との相性も悪いのか、などと思いめぐらしてしまった・・・・。だが、「プルチネルラ」に入ると、演奏も開始後間もなく生き生きとした明晰なものになって行ったので、ほっとした次第。

 休憩後には、音楽監督・西村朗が作曲者・薮田翔一へのツッコミ・インタヴュ―で客席の笑いを誘い出し、彼の叙情的なハープ協奏曲を篠崎和子とオーケストラが極めて美しく演奏して、コンサートは盛り上がる。なお、この曲は「関西若手作曲家委嘱プロジェクト第7弾」である由。
 そして最後は、ラウンドによるかなり分厚い、濃厚でダイナミックな編曲による「クープランの墓」(全6曲)。三ツ橋敬子とオーケストラの演奏も、ここでは多彩さを聴かせていた。

 プログラム全体を通じ、どちらかというと、ダイナミックでリズミカルな部分での方が演奏のノリも良かったな、という印象を得たのだが━━。
 あとで事情通の人たちから聞いた話によると、「このオーケストラはふだんパワフルな、ドシャンガシャンいう物凄い音の現代音楽のレパートリーを売り物にしているので、今日のような旋律的な要素の多い曲の演奏では、いつもとはかなり雰囲気が違っていた・・・・」だそうな。なるほど。そういうことでしたか。

 次回の定期(来年2月8日)は、飯森範親の指揮で、川島素晴編曲のマーラーの「大地の歌」と、中村滋延の「善と悪の果てしない闘い 第1章」とのこと。いかにも物凄そうだ。聴きに行ってみようか。

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