2019-07

2019・7・1(月)クリスティアン・アルミンク指揮リエージュ王立フィル

      サントリーホール  7時

 ベルギーのリエージュに本拠を置くリエージュ王立フィルハーモニー管弦楽団は、1960年の創立。アルミンクは2011年9月からその音楽監督のポストに在る。

 今回の来日公演はたった3回(京都1、東京2)で、今日はその最終公演だ。
 ルクーの「弦楽のためのアダージョ Op.3」と、モーツァルトの「ピアノ協奏曲第20番」(ソロは小林愛実)、ブラームスの「交響曲第1番」というプログラムで、アンコールにはブラームスの「ハンガリー舞曲第6番」が演奏された。

 弦楽器の音色の美しいオーケストラだ。さすがアルミンクの率いるオーケストラだけあって、音には清楚で瀟洒なカラーが満ちあふれる。
 最初のギョーム・ルクー(1870~1894)の「アダージョ」には、彼がベルギー出身の作曲家であるということだけでなく、その弦の美しさを余すところなく披露するという点からも、一種の名刺代わりという意味もあったのではなかろうか。

 一方、ブラームスの「1番」は、ゆったりしたテンポで控えめに、叙情性に重点を置いた清涼な演奏で、綺麗にまとまり過ぎているという印象もなくはないが、終楽章のクライマックスに至り、猛然と力感を増し、音量とその質感を最大レベルにして全曲を終結するという手法は面白い。

 モーツァルトのピアノ協奏曲では、かなりリズムの明確な、ごつごつした音のつくりだったが、それが全曲の締め括りの数小節で、やはり突然、仁王のような力強さと巨大さで聳え立って行く。これは最近のアルミンクの得意業なのか。
 このメリハリの強さの前では、小林愛実のソロはいかにも生真面目過ぎるほどに感じられた。ただし彼女の演奏の良さは、ソロ・アンコールで弾いたショパンの「マズルカ イ短調Op.17-4」での、ドビュッシーにも似た透明な叙情美で発揮されていた。

 ブラームスのあとでは、オーケストラにもアルミンクにも、盛んな拍手が贈られた。かつて音楽監督として新日本フィルを立て直し、オペラや現代音楽など広いレパートリーを導入してファンの人気を集めていたアルミンク、任期の最後は東日本大震災に絡むゴタゴタの中でオケを去るという事件があったにせよ、一時期には新日本フィルから優れた演奏水準と充実した活動を引き出していた彼の実績はやはり大きなものがあった。それを覚えている人も少なくなかったであろう。

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