2019-04

2019・4・28(日)東京二期会 マスネ:「エロディアード」

      Bunkamuraオーチャードホール  2時

 朝の新幹線で帰京。昨夜泊まったホテルは、これまでにも何度か利用したことがあり、気に入ってはいるのだが、今回はなぜか、寒いのに暖房は利かず、しかもアラームの時計が壊れていて午前4時前に鳴り出し、それからあまり眠れず━━という酷いトラブルにぶつかって、睡眠不足でヨレヨレの状態で帰って来た次第だ。だがとにかく頑張って予定通り、この滅多に聴けないオペラに出かけて行く。

 藤原歌劇団ではなく東京二期会がマスネの「エロディアード」という珍しいオペラをフランス語で上演するというのも面白いが、「サロメ」異伝ともいうべきこの作品を、6月のR・シュトラウスの「サロメ」(ウィリー・デッカー演出、セバスティアン・ヴァイグレ指揮読響)上演に先立って紹介し、「二つのサロメ」とするアイディアは、なかなかいい。

 ただし、この一般にはなじみのない作品を、折角そういう趣旨をこめて上演するのであれば、プログラム冊子の解説をもう少し親切に構成し、このオペラの内容をまず簡潔に━━半ページ分の文章でいいから━━解り易く紹介しておくべきではなかったか? 
 早い話、このオペラについて予備知識を持たないであろう多くの観客は、ステージへ次々と出て来て歌いはじめる人物が一体誰で、どういう素性の者なのか、どういう関係にあるのか、何となく判り難かったのではないか? セミステージ形式で、服装だけでは人物の区別がつけ難いから、なおさらだ。
 サロメはいいとしても、ジャンがヨカナーンに、エロデがヘロデ王に、エロディアードが王妃ヘロディアスに相当する人物であることなど、冊子の最初にストーリー概要と共に一言説明があれば、もっと「R・シュトラウス版」との比較が楽しめたのではなかろうか。

 いつも思うのだが、東京二期会は、折角斬新で意欲的な企画を打ち出しながらも、それを解り易く観客に説明するという親切さに不足する傾向がある。

 だが、演奏内容はかなり満足できるものだった。ミシェル・プラッソン指揮東京フィルの演奏は、落ち着いたものではあったが起伏に富み、マスネなりの劇的な昂揚感に不足はなかった。
 ダブルキャストの2日目として、池田香織(王妃エロディアード)、國光ともこ(その娘サロメ)、桝貴志(エロデ王)、北川辰彦(ファニュエル)、渡邉公威(預言者ジャン)ほかの歌手陣も、特に第1部では、最善を尽くした歌唱を披露してくれた。ただ、渡邉公威は、一同に大きな影を落とす預言者ジャンというキャラクターとしては、声質や表現力や歌唱力において些か向いていなかったと思われる。

 なお、今回はステージ後方の反響板に映像が投映されていた(栗山聰之担当)が、これは奥行と拡がりを感じさせ、かなり効果的であったと思う。

«  | HOME |  »

























Since
September 13, 2007

これまでの来訪者数

最近の記事

お知らせ

●2007年7月以前のArchivesを順次、アップロード中です。併せてご覧下さい。
2007年7月
2007年6月
2007年5月
2007年4月
2007年3月
2006年7月

Category

ブログ内検索

プロフィール

リンク

News   

雑誌 モーストリー・クラシック に連載中
「東条碩夫の音楽巡礼記」