2019-04

2019・4・4(木)東京・春・音楽祭 ムーティ指揮「リゴレット」抜粋

      東京文化会館大ホール  7時

 弦16型編成の「東京春祭特別管弦楽団」(コンサートマスター・長原幸太、各パート首席には林七奈、鈴木康浩、上野由恵、金子亜未、大野雄太他の人々)を指揮するリッカルド・ムーティの音楽の、なんと立派なこと。
 前奏曲からして弦のトレモロが物凄く、第4幕の嵐の場面は、往年の大巨匠トスカニーニのライヴを彷彿とさせる迫力の音楽。久しぶりに「リゴレット」の管弦楽パートの魅力を満喫させてくれた演奏であった。

 こういう卓越した指揮とオーケストラの演奏を聴いていると、どうしてもこれが「リゴレット」の本格的演奏会形式上演であるかのような錯覚をつい起こしてしまうのだが、実はこの演奏会はムーティの「イタリア・オペラ・アカデミーin東京」の成果発表会というべきものだったのだと途中で思い出し、それなら歌手陣のことについてあれこれ言ってもはじまらない、と思い直すのであった。

 従って主役の歌手陣については、ジルダを歌ったヴェネーラ・プロタソヴァの伸びのよい爽やかな美しい声について特筆するにとどめておこう。
 ただし脇役のほうでは、マッダレーナを歌ったダニエラ・ピーニと、ジョヴァンナを歌った向野由美子の、実績ある2人のプロのメゾソプラノが流石に安定していた。

 今回の「抜粋」は、大きな合唱が入る場面をカットしたもの、という意味。つまり実際に演奏された個所は、前奏曲、第1幕第2場の最初からジルダの「慕わしき御名」まで、第2幕はマントヴァ公のアリア、リゴレットの「悪魔め、鬼め」、およびジルダの登場から幕切れまで、第3幕は全曲━━という具合である。

 演奏終了後には、指揮受講生4人(東京国際音楽コンクールで優勝している沖澤のどかを含む)に、ムーティ手ずから「修了証書」を授与する、というセレモニーも行なわれた。「作曲者の考えを尊重してやって行くように」というムーティのはなむけの言葉は、彼らにどのように理解されただろうか。

 なお、このムーティの「アカデミー」は、来年がヴェルディの「マクベス」、再来年が「仮面舞踏会」と発表されて、聴衆の大拍手を浴びた。
 全曲の本格的な演奏とまでは行かぬのが残念だが、まあ、大ムーティ殿のヴェルディなら、日本で振ってくれるだけでも有難い、と思わねばなるまい。

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