2019-01

2019・1・30(水)バーメルト指揮札幌交響楽団の東京公演

      サントリーホール  7時

 首席指揮者マティアス・バーメルトとのコンビではこれが初めての東京公演。
 プログラムは、モーツァルトの「セレナータ・ノットゥルナ」、ベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第4番」(ソリストは岡田奏)、ブラームスの「交響曲第2番」。コンサートマスターは田島高宏。

 エリシュカ、ポンマー、そしてこのバーメルト━━この10年ほど、札響のシェフまたはそれに準じる顔ぶれには、こういった高齢の指揮者たちが目立つ。だが、いずれも世に謂う「アナログ的な」━━あたたかい情感にあふれた、味わい深い円熟の演奏を聴かせる指揮者たちだから、それはそれで一つの方針だろうし、また国内に一つくらい、そのようなカラーを売り物にするオーケストラがあっても悪くはなかろう。

 ブラームスの「2番」は、実直そのものの演奏だったが、第4楽章コーダでの昂揚感は、さすがベテラン指揮者ならではの、「持って行き方の巧さ」というべきものであった。
 一方、プログラムの冒頭に置かれた「セレナータ・ノットゥルナ」は、少し重いながらも透明な美しさを備えた演奏であり、またアンコールで演奏されたモーツァルトの「ディヴェルティメントK.136」の第3楽章も、落ち着きと軽快さとを併せ持つ演奏だった━━つまりこれらモーツァルトの作品では、このオーケストラの弦楽器群の良さが浮き彫りにされていた、ということになるだろう。

 協奏曲では、バーメルトと札響がベートーヴェンの重厚で強固な構築性を堅持した、まっすぐな演奏を貫いていたのに対し、ソリストの岡田奏は些か神経質な、オーケストラに構わず自己の世界に没頭耽溺してしまうような感のある演奏を繰り広げていた。それゆえ、コンチェルトとしてはややアンバランスなものとなっていたようである。
 彼女のこういう演奏は、ソロ・リサイタルでは生きるだろうし、またレパートリーによっても良い結果を生むこともあろう。が、こういうベートーヴェンのコンチェルトで、重々しい情感豊かな音楽をつくる指揮者と協演した場合には、いわば水と油のようになる印象を免れぬ。

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