2018-06

2018・6・15(金)トリオ・ヴァンダラー演奏会

   サントリーホール ブルーローズ  7時

 「サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン」の一環。
 パリ音楽院出身の3人━━ジャン=マルク・フィリップ=ヴァルジャベディアン(ヴァイオリン)、ラファエル・ピドゥ(チェロ)、ヴァンサン・コック(ピアノ)の3人によるトリオで、結成以来31年になる由。

 プログラムは、ベートーヴェンの三重奏曲第4番「街の歌」、アレンスキーの「三重奏曲第1番ニ短調」、シューベルトの「三重奏曲第2番変ホ長調」。アンコールはドヴォルジャークの「三重奏曲第4番《ドゥムキ―》」の第6楽章と、ハイドンの「ハンガリー風ロンド」(三重奏曲ト長調Hob.ⅩⅤ-25の第3楽章)。

 このトリオ・ヴァンダラーというアンサンブル、フランスの演奏家でありながら、演奏にはまるでドイツ人のそれかと思わせるような生真面目さにあふれているのが興味深い。一人一人の演奏は実にしっかりしているし、アンサンブルにもさすがのキャリアを感じさせるので、その演奏は毅然、整然として、全く隙がない。

 だが、シューベルトの第2楽章でピアノが刻むリズムに、まるでユーモアも、軽快さも感じさせず、ただひたすらシリアスな表情で進んで行くのには、聴いていて苦笑させられる。「街の歌」でも、ベートーヴェンがこの曲に籠めた冗談とも本気ともつかぬニュアンスはこの曲の真髄ともいうべきものだが、こう真面目くさった表情で演奏されると、あの俗謡調の主題も、あまり「街の歌」的な雰囲気が無くなって来る。

 3人が演奏する表情もまたクソまじめで、アイ・コンタクト(それもあるかないか)にも微笑ひとつ見せず、聴衆の拍手に応えて答礼する時にさえ、ほとんど笑みを見せないという音楽家たちだ。とはいえ、彼らの演奏には、たとえばベルリン・フィルのメンバーが室内楽をやる時のような堅物的な生真面目さというのではなく、どこかにしなやかな明るさが垣間見えるのが、これまた面白い。

 アレンスキーの三重奏曲の冒頭の主題は、テレビの「暴れん坊将軍」のテーマ曲そっくりなので、昔から何となく愉快な思いで聴いていたのだが、今日の演奏では、もちろんこれもシリアスに聞こえた。

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