2018-06

2018・6・4(月)ダニエーレ・ルスティオーニ指揮東京都交響楽団

     サントリーホール  7時

 モーツァルトの「フィガロの結婚」序曲、ヴォルフ=フェラーリの「ヴァイオリン協奏曲ニ長調」(ソロはフランチェスカ・デゴ)、R・シュトラウスの「交響的幻想曲《イタリアより》」というプログラム。コンサートマスターは当初予定の矢部達哉が急病の由で、神奈川フィルの崎谷直人が代わった。

 ダニエーレ・ルスティオーニというミラノ生れの35歳の指揮者は、4年前に東京二期会の「蝶々夫人」で、同じ都響を振った時に聴いたことがあるが、あの時は歌手の声とのバランスの問題もあったのか、どうも本領発揮とは行かなかったようだ。だが、昨年2月の都響定期演奏会客演(私は聴いていない)などを経て、オケとも呼吸が合って来たのだろう、今日は存分にやったのではないかと思う。

 若々しく大暴れする指揮ぶりで、体当り的な熱演も好ましく、オーケストラをいっぱいに鳴らしながらも、細部にわたってアクセントやリズムに神経を行き届かせており、なかなかの手腕を持った若手と思われる。
 フォルティッシモの時に飛び上がるのは当節では珍しくないが、「イタリアより」の最後の追い込みの際に指揮台上を「摺り足」で第1ヴァイオリンの方へ突進(!)し、続く終結和音をたたきつけた勢いで客席を向くという暴れん坊ぶりは、何とも微笑ましい。若い時にはこのくらいの熱血漢であっていい。

 「フィガロの結婚」序曲は、次の協奏曲と同じニ長調であるがゆえの選曲か。元気な演奏で、都響の音色にも不思議な色気のようなものが漂っていた。この指揮者は何か持っているな、と楽しみを感じるのはこういう時である。
 次の「ヴァイオリン協奏曲」では、容姿端麗なフランチェスカ・デゴが華麗なソロを聴かせてくれたが、この曲、美しいけれども、さほど面白いとも言い難い。終楽章のロンドだけはイタリアの快活さのような雰囲気を感じさせたが━━。

 「イタリアより」は、今日の目玉であろう。これも本来あまり面白い曲ではないが、終曲で「フニクリ・フニクラ」の旋律が分解されて響いて行くあたりは私も好きなところで、今日のルスティオーニと都響はそこをなかなか巧く演奏してくれた。

 聴衆も、この若手指揮者には大拍手と大歓声。ふだんは客席を見ずに「知らん顔をして」(?)立っている不愛想なステージがトレードマークの都響の楽員が、今日はルスティオーニに煽られ、珍しくも全員一斉に客席に向かってお辞儀を━━所謂「日本フィル・スタイル」で━━したのには驚いた。

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