2018-02

2018・2・20(火)山田和樹指揮東京混声合唱団「音楽で描く世界地図」

      東京オペラシティ コンサートホール  1時30分

 これはなかなか愉しいコンサートだった。
 東京混声合唱団を山田和樹(音楽監督兼理事長!)が指揮、ピアノの萩原麻未が協演して、第1部ではいくつかの国の国歌(オーストラリア、インドネシア、ロシア、イタリア、アメリカ、アルゼンチン、コモロ連合国)とその国に関連した有名な曲1曲ずつを歌い、第2部では日本の歌中心のプログラムを歌う━━という演奏会である。

 これは、現在山田と東混が展開している「アンセム(愛唱歌)プロジェクト」の一環である由。
 ステージでシリアスに歌ったり、客席に降りて歌いながら踊ったり、いろいろ趣向を凝らしながら楽しく進行させるという合唱コンサートなのだが、とにかく合唱の上手いこと。これだけ見事に歌えれば、たとえどんなに羽目を外そうとも、かえってそれがいい余興になるというものである。

 原曲がアフリカン・ポップスだという「ライオン」━━これが私の世代などには懐かしいトーケンズの「ライオンは寝ている」になるのだった━━での編曲の巧さと、踊りながら歌う東混の巧さ。
 あるいは、三善晃が編曲した「虹の彼方に」のハーモニーの美しさと、それを残響の多いこのホールで豊かに響かせ効果を上げた山田和樹の巧みな指揮及び東混の演奏水準の髙さ。
 そして、そのヤマカズのMCの明るい親しみやすさ・・・・等々、どれをとってもぴったり決まった演奏会だった。

 但し、ほんの僅かながらちょっと「弱かった」ような印象を受けたのは、ヴェルディの「ナブッコ」からの「行け、わが想いよ、黄金の翼に乗って」での合唱で、これに関する限りは、やはり歌劇場の大合唱団の豊麗さに一歩を譲らなくてはなるまい。

 ホワイエでは、マエストロ・ヤマカズと東混が山形に行った時に食べて気に入ったという、佐藤屋の「たまゆら」という菓子が売られており、開演前にはほとんど誰も注意を払わなかったのが、本番のステージで彼が「このお菓子は美味しい」とPRしたら、休憩時間には長蛇の列ができ、ついに完売になってしまった。まこと、有名人のPRの影響力は凄まじい。彼はまた第2部で、それをネタにして会場を笑わせ、盛り上げた。客席の雰囲気が更に明るくなったのは言うまでもない。

 ともあれこれは、シリアスなかたちの中にエンターテインメント性を織り込んだ演奏会として、第一級のものである。

«  | HOME |  »

























Since
September 13, 2007

これまでの来訪者数

最近の記事

お知らせ

●2007年7月以前のArchivesを順次、当時の日記を修正せずにアップロード中です。併せてご覧下さい。
2007年7月
2007年6月
2007年5月
2007年4月
2007年3月

Category

ブログ内検索

プロフィール

リンク

News   

雑誌 モーストリー・クラシック に連載中
「東条碩夫の音楽巡礼記」