2017-04

2017・4・12(水)新国立劇場 ヴェルディ:「オテロ」

      新国立劇場オペラパレス  7時

 2009年にプレミエされたマリオ・マルトーネ演出の、5年ぶり3度目の上演。舞台に水が湛えられているあの舞台だが、今回は少し細部を変えたか? 最初に観た時よりも、人物たちの動きを含めて、舞台全体に少し緊張感が薄らいでいるようにも感じられる。

 今回は、指揮をパオロ・カリニャーニ。オテロをカルロ・ヴェントレ、デズデーモナをセレーナ・ファルノッキア、イアーゴをウラディーミル・ストヤノフ、ロドヴィーコを妻屋秀和、カッシオを与儀巧、エミーリアを清水華澄、ロデリーゴを村上敏明、モンターノを伊藤貴之、ほか。

 カルロ・ヴェントレって、こんな歌い方したっけ?と思わせるような「オテロの登場」の出だし。ギョッとするほど声も音程も不安定で粗くて調子も悪そうだったが、第2部(第3、4幕)は何とか持ち直して、「オテロの死」はとにかく決めた。
 もともと荒々しい声で吼えるタイプの人だから、「野人オテロ」といった感になってしまうのもやむを得まい。でも、オテロという人物は、本来はもっと知的で高貴な性格を備えているはずなのである(それが錯乱に陥るからこそ悲劇となるのだ)。

 ストヤノフも前半は意外に声がこもり気味で、後半は何とか持ち直したものの、「外面誠実、内面策士」たるイアーゴとしては、歌唱・演技ともに鋭さに欠ける。
 結局、主役3人のうち、温かい誠実な妻としての性格を「心をこめて」表現していたのは、ファルノッキアだけということになるか。
 妻屋、与儀、清水ら脇役の日本人勢の方が、地道に決めていた。

 カリニャーニは予想通り、テンポやデュナミークを煽ること、煽ること。東京フィルと新国立劇場合唱団が咆哮する。ちょっと騒々しいところもあるが、面白い。このくらいの勢いと激しさがないと、ドラマティックなオペラにならない。

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